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突然莫大な遺産を相続することになった純朴な男性が、マスコミにさらされ、財産を狙う人々に惑わされる騒動を描いた、人情喜劇の傑作。人間味あふれる描写と、ユーモアを交えたロマンティックコメディでもあり、最後まで飽きずに楽しめる。
とても分かりやすくシンプルな話で、テンポ良く最後まで見れるのだが、クライマックスの裁判のシーンは、少し回りくどく感じた。
農夫たちに農場を買い与えるというのは、当時の不況にあえぐ地方の疲弊を反映したくだりだったのかもしれないね。
理想に過ぎるところがあるかもしれないが、フランク・キャプラ監督の人々に対する優しい眼差しを感じ取ることができるし、世界恐慌を経験した当時のアメリカだからこそ出来た、素晴らしい作品だと思う。
【以下あらすじ】
田舎町で幸せに暮らしていたロングフェロー・ディーズ(ゲイリー・クーパー)は、大富豪だった叔父の死去に伴い、莫大な遺産を相続することになる。
その叔父の財産をめぐり、悪事を重ねてきた叔父の弁護士ジョン・シーダーは、ディーズをメディアから遠ざけるため、コーネリアス・コブ(ライオネル・スタンダー)を起用する。
ディーズは、変わり者だが善良で素朴な男だった。彼は、正体を隠して彼に近づいた女性記者ルイーズ・"ベイブ"・ベネット(ジーン・アーサー)と、恋に落ちる。
また、シーダーが起用したコブも、ディーズに信頼を寄せるようになる。
その一方、シーダーは、ディーズの唯一の親族であるセンプル夫妻と手を組み、ディーズの風変わりな言動に目を付け、訴訟を起こして、財産の管理能力が無い(無能力の)宣告を勝ち取ろうとする、、、。