波涛を越える渡り鳥

劇場公開日:

解説

小林旭の渡り鳥シリーズの第六作で海外ロケを行なった。原健三郎の原作を、「くたばれ愚連隊」の山崎巌が脚色し、「錆びた鎖」の斎藤武市が監督した。撮影も同じく「錆びた鎖」の高村倉太郎。

1961年製作/79分/日本
原題または英題:The Rambler under the Southern Cross
配給:日活
劇場公開日:1961年1月3日

ストーリー

ギターを抱えた渡り鳥、伸次は横浜の岸壁で国際的ギャング団に襲われた貿易商松本を助けた。その時、ギャング団の一員が落としていったネックレスを拾って伸次は愕然とした。戦争中、ビルマ国境の谷底で死別した兄昭次のサンゴのネックレスだったからだ。松本からその男が香港の忠安公司ジェラール・ウィリイと聞いた伸次は香港に飛んだ。空港には松本の妹で芸大の東洋民族舞踊の研究生則子が出迎えていた。則子の案内で訪ねた忠安公司はすでになく香港とバンコックにキャバレー“サムロ”を経営している国際洋行リイ・シャタックに変わっていた。則子は兄の使いで書類をバンコックで研究をつづける許婚南条に届ける途中だった。伸次も則子と共にバンコックへ飛んだ。バンコックには伸次の養父ロチャ家があった。手始めにキャバレー“サムロ”にギターを抱え流しに入った。そこで伸次はジェラールの仲間にはラオスの虎という早射ちの名人がいてそこの踊子サーヤがラオスの女であることを知った。そんな頃、ジェラール達にボスからアユタヤのロチャ家にあるジルコン鉱山の権利書も奪えと指令が飛んだ。折角バンコックまで来た則子であったが、許婚の南条は行万不明になっていた。「南条さんの地図--俺の兄貴の死--ジルコン鉱山の権利書」アユタヤへ行けばこの三つの関係がわかるかも知れないと、則子と伸次は出かけた。その時、ジェラール一味に襲われるが、意外にもラオスの虎に助けられた。エメラルドに帰ったラオスは自分を今迄育ててくれ、また一味のボスであるリイ・シャタックに散々どやされた。伸次はサーヤの口からあのネックレスがラオスのものと聞かされて愕然とした。リイはラオスが日本人であるために自分を裏切るのではないかと、ジェラールにラオスの暗殺を命じた。南条は元日本軍が戦時中に埋めた貴金属の発掘にやっ起となっていた。リイはそんな南条を利用していたのだった。サーヤから事情を聞いた伸次は、一味の仕事場である寺院の地下室に飛びこんだ。その時はすでに遅く、南条は貴金属を発見した後、リイに殺された。伸次がリイを殺そうとした時、ラオスが現れてリイを倒した。「タキ、お前は人を殺しちゃいけない」と言ってラオスはサーヤと共に去っていった。伸次と則子の乗った船が日本へ帰る日、トンムブリの丘ではラオスとサーヤがいつまでも船を見送っていた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0ついに、東シナ海を越えてホンコンから、マレーシア航空で東南アジアまで、飛んで行った渡り鳥アキラ。この頃が、日活の絶頂期で全国の映画館は20000を超えたとか。今ならセブンイレブンいい気分の数に匹敵(笑

2014年10月5日
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みすずあめ