狂走セックス族
劇場公開日:1973年4月28日
解説
スピード狂の若者と彼を追走する白バイの警官。現代の若者が、欲求不満をオートバイにぶつける、そのスピードを通してひとつの青春像を描く。脚本は「恐怖女子高校 暴行リンチ教室」の鈴木則文、監督は脚本も執筆している新人・皆川隆之、撮影は「鉄砲玉の美学」の増田敏雄がそれぞれ担当。
1973年製作/83分/日本
配給:東映
劇場公開日:1973年4月28日
ストーリー
スピード狂の川口淳哉は、750CCに乗る白バイの本郷晃に捕まって以来、白バイに反感を持つと同時に、是非ともナナハンが欲しくなった。しかし父の敦は買ってはくれない。そこで一計を案じた淳哉は、オートバイ仲間の千枝に敦を誘惑させ、それをネタに仲間の史郎が敦をゆすり、金を巻き上げさした。淳哉はその金でナナハンを手に入れ、白バイが追いつけないほど好性能に改良した。本郷がいつものように、仲間の警官とスピード狂のハントをしているところに、淳哉のナナハンが競りかけて来た。カッとなった本郷だが、淳哉のナナハンに迫いつくことはできなかった。本郷には文子というフィアンセがいるのだが、白バイの心地良さと、スピード狂のハントに快感を覚え、文子から次第に離れていった。一方、文子はロック・グループのマネージャーをしており、ある日、野外での練習中に、淳哉たちが現われた。淳哉は文子が本郷のフィアンセだと知ると彼女を誘惑した。文子も、本郷に対する欲求不満から、淳哉を自分のアパートへ入れ、体を許した。その時、本郷が文子を訪ねて来て、二人の姿を見た。彼は淳哉を表に引きずり出し、大衆の面前で殴り倒した。そのことが原因で、本郷は謹慎処分となり、また、文子との仲も完全に終ってしまった。一方、淳哉は、彼の行動についていけなくなった仲間たちが離れていっても一人で、毎日白バイとスピードを競っていた。そして、ある日、本郷の白バイ仲間の東を死なせてしまった。淳哉はあわてて、あるマンションに逃げ込むが、そこには知り合いの宏子の部屋があり、彼女に隠まってもらう。数日間、一緒にいた二人は愛し合うようになっていた。やがて、二人は逃げ出そうと計るが失敗、宏子だけが掴まってしまった。淳哉はナナハンで逃げ去り、神戸へ。京都府警部長・蛭巻は全道路に非常線を張らせた。淳哉は、宏子に会いたさのあまり、盗聴されているとも知らず宏子のマンションに電話し、落ち合うことにした。淳哉は非常線の真っ只中に入ってしまった。その時、一台の白バイが淳哉を追った。本郷である。二人のデッド・ヒートがつづく。淳哉は本郷の突っ込みにハンドルをとられ、ナナハンとともに、ガードレールを越え、崖下へと落ちていった……。