新女賭博師 壷ぐれ肌
劇場公開日:1971年2月17日
解説
昭和41年1月「女の賭場」に始まった「女賭博師」シリーズ17作目。脚本は「皆殺しのスキャット」の高岩肇。監督は「座頭市あばれ火祭り」の三隅研次。撮影は「おんな極悪帖」の梶谷俊男がそれぞれ担当。
1971年製作/79分/日本
配給:ダイニチ映配
劇場公開日:1971年2月17日
ストーリー
大恩ある人から辰造を預った銀子は、一人前に育てるまではと、一切の賭場から手を退いて、辰造の成長に賭けた毎日を送っていた。だが銀子の噂を聞いた南条組親分栄三郎の誘いに応じて、一夜、黒門組の看板胴師緋牡丹お蝶に勝ったことから、改めて縄張りを賭けてという松次郎親分の申し出を断り切れなくなってしまった。大花会の当日、銀子は栄三郎を説いて、晴れの大舞台に辰造を送り出した。しかし意外にも、辰造は死体となって戻ってきた。イカサマを使ったため、流れ者の政に殺されたというのだ。銀子はせめてものお詫びと指をつめようとしたが、無一文になった栄三郎に励まされ、東京を後にした。陸送の運転手になった銀子は、イカサマで荒稼ぎする夏江を知るが、これに水を差したことから、瀬戸内海のフェリーを経営する太田黒の事務所へ連れ込まれた。そこに現われたのはかつて、東京で銀子に負けて坊主頭にされた尼姿のお蝶だった。お蝶は再度勝負を挑むが軽くいなされ、いきなりドスで斬りつけた。銀子の窮地を救ったのは政だった。一年ぶりに、銀子が東京に舞い戻ったとき、南条組は栄三郎が殺され、独占をはかる太田黒、黒門組に狙われ風前の灯に等しかった。銀子は、いきり立つ子分を押えるために全ては盆の上で決着をつけるべく黒門組に対決を申し入れた。勝負を控えた前夜、銀子は政の訪問を受けた。驚ろく銀子に、政は、辰造のイカサマは黒門組の罠で自分も今日知った、許してほしいと手をついて謝った後、黒門組の胴師は、自分の妹で稀代のイカサマ師夏江だと告げた。いよいよ当日。銀子、夏江の息づまる対決が続いた。しかしすんでのところで勝負は銀子が勝った。同時に松次郎が仁王立ちになり子分たちが刃物を手に雪崩れ込んだ。銀子は仕込みのカンザシを抜き放ち、夏江もドスを構えた。その時、政が襖を蹴飛ばして入ってきた。賭場はたちまち修羅場と化し、松次郎は血に染まり倒れた。