地獄(1979)
劇場公開日:1979年6月3日
解説
姦通の罪によって地獄に落ちた母を追って、近親相姦の罪を犯して地獄に落ちる一人の女を描く。脚本は「禁じられた体験」の田中陽造、監督は「赫い髪の女」の神代辰巳、撮影は「沖縄10年戦争」の赤塚滋がそれぞれ担当。
1979年製作/131分/日本
配給:東映
劇場公開日:1979年6月3日
ストーリー
孤児院で育ったレーサーの水沼アキは、事故を起こして休養の旅の途中、生形幸男と知り合い、彼の生家、生形村を訪れる。そこにあった「金輪を回し、止まれば極楽、逆に戻れば地獄」と言い伝えのある笠卒塔婆に指をふれると、金輪は物凄い速度で逆回転をして地鳴りが起こった。足元が崩れ、そこに地獄が現われた。失神したアキの目に映じたものは、呪われたアキの出生の秘密と姦通の罪で地獄にのたうつ母の姿だった。この村はアキの生まれ故郷。アキは生形竜造と、弟雲平の嫁ミホとの間に生まれた不義の娘。竜造とミホは雲平に殺され、アキは竜造の妻シマによって孤児院に送られたのだ。竜造とシマの間には松男と幸男の二人の兄弟がいた。暫くして、失神したアキを見つけて介抱していた幸男の兄松男は彼女を抱いてしまう。アキの出現で平穏を保ってきた生形家に亀裂が生じた。亡き妻ミホの面影を求めて執拗に迫る雲平、アキの豊満な肉体が忘れられない松男。シマはアキがミホの娘と知ると、村人を使って強姦させようとするが、間違って養女の久美が犯されてしまう。そして腹違いの兄妹と知りつつ愛しあう幸男とアキ。「妹ひとりを地獄に行かせて、俺だけ逃げるわけにはいかない」アキと幸男は最も罪深い近親相姦に、最も至純な愛のかたちを見いだしたのだ。久美は焼身自殺をとげ、雲平はアキの引く三味線の音に誘われるまま崖から転落死し、シマは土牢の中でミイラとなった竜造の頭を胸に抱き、舌をかみきって死ぬ。20年前のミホと竜造と同じ崖道を進むアキと幸男。二人を追う松男と村人達。その時、頭上の岩が落下して松男達を襲った。山小屋で兄妹は抱きあう。そして山小屋が湖へ落ちていった。湖をどこまでも沈んでいくと、やがて闇が少しづつ晴れ、三途の川が広がってきた。阿鼻叫喚の地獄をめぐるアキ。そこにはシマ、久美、村人達、竜造と雲平、幸男と松男がいる。ついにアキは獣と化したミホと対面した。「母さん!」アキは叫ぶが母には我子の判別もつかない。母に声をかけた報いに、アキは足元から樹の幹に変っていった。そしてミホは桜の木になったアキに体当りをはじめた。ギシッと樹の幹が真二つに折れると玉のような赤子が産声をあげた。柔らかな朝の光のそそぐなか、その赤子は生を歓喜するように泣いていた。
スタッフ・キャスト
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水沼アキ原田美枝子
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生形ミホ原田美枝子
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生形シマ岸田今日子
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生形松男石橋蓮司
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生形幸男林隆三
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生形久美栗田ひろみ
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生形竜造西田健
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生形雲平田中邦衛
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山尾治加藤嘉
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浪江稲野和子
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芳岡島艶子
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赤塚作次広瀬義宣
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谷地登笹木俊志
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福田正一志茂山高也
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名和太細川純一
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メカニック福本清三
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トレーナー木谷邦臣
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車掌高谷瞬二
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アナウンス友金敏雄
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尼僧佐藤友美
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老女和歌林三津江
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中年女丸平峰子
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村人A有島淳平
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村人B小峰隆司
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村人C畑中伶一
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村人D波多野博
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村人E藤沢徹夫
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村人F泉好太郎
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松男の少年時代藤本英之
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幸男の少年時代上田孝則
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懸衣翁浜村純
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懸衣嫗毛利菊枝
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閻魔大王金子信雄
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茶吉尼天天本英世
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鬼1大前均
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鬼2原田力
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鬼3マンモス鈴木
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鬼4大位山勝三