危険な関係(1978)
劇場公開日:1978年3月18日
解説
自分を傷つけた男への復讐のため、陰惨な事件を引き起こす未亡人の姿を描く、ピエル・コデルロス・ド・ラクロ原作の同題名小説の映画化。脚本は「竹山ひとり旅」の新藤兼人、監督は「実録不良少女 姦」の藤田敏八、撮影は「襲う!!」の安藤庄平がそれぞれ担当。
1978年製作/97分/日本
配給:にっかつ
劇場公開日:1978年3月18日
ストーリー
カメラマンの寒川雄二は、蓼科山麗の一角にある叔母の朝倉千代子の別荘でくらしていた。雄二のところへ、不倫な関係にある未亡人の渡瀬綾子から手紙が届く。その手紙には新しい恋人である作曲家の辰夫の事と、以前、夫を失ったばかりの綾子を傷つけた北林を彼女は今も怨んでいる事、そのため彼の結婚相手である百合子に復讐したいので、手助けして欲しいと、書かれていた。仕事で久しぶりに東京へ戻った雄二は、綾子に百合子を紹介され、その汚れのない姿に動揺するが、彼は大学教授の夫人である良子を恋していた。数日後、雄二の部屋を尋ねた綾子は、北林への復讐協力を再度要請し、肉体を武器に雄二を誘惑する。しかし、雄二が良子の後を追って、再び山荘へ向ったことを知った綾子は、百合子の母・雅枝に、雄二と百合子は不倫な関係にあると嘘をつく。百合子に事の詳細を聞いた雄二は、その事は気にしなかったが、良子に百合子と一緒のところを見られたため、腹いせに百合子を強姦する。全身雪に覆われ、玄関の前に立ちすくむ雄二を見つけた良子は、真実の愛を知り、彼に身を委ねた。綾子からの電話で雄二たちははホテルのロビーに呼び出される。そこで良子は、雄二と百合子が肉体関係にあった事を聞かされ、愕然とする。綾子に平手打ちをくわした雄二は、急いで良子の後を追った。良子への愛に生きようとする雄二を待っていたのは、皮肉にも悲惨な死の道だった。蓼科山麗の谷底深く、雄二と良子を乗せたジープと、綾子からの連絡で雄二を追っていた辰夫の車が沈んでいた。百合子にサイホンをぶつけられ、顔を焼けどした綾子は、醜く変貌したその顔を穏そうともせずに、新聞記者に囲まれ、自らの罪を語るのだった。
スタッフ・キャスト
受賞歴
第2回 日本アカデミー賞(1979年)
ノミネート
監督賞 | 藤田敏八 |
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