遺書 白い少女

劇場公開日

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解説

多感な19歳の少女と、白血病に犯された若き青年画家の悲恋を描く。原作は落合恵子の同名翻案小説。脚本は「この青春」の八木保太郎、監督は「三婆」の中村登、撮影は「港のヨーコ ヨコハマ ヨコスカ」の竹村博がそれぞれ担当。

1976年製作/92分/日本
配給:松竹

ストーリー

亜砂子が峯雄に初めて出会ったのは、かすかに夏の匂いのする五月、彼女の19回目の誕生日の夜だった。雑誌のさし絵画家だと名のる峯雄の誕生日をやり直そうという、突然の提案で、二人は静まり返った真夜中の遊園地で、まるで子供のように遊びまわったこ……。6月のある不快な梅雨の夜。亜砂子は母親美加の経営するクラブに顔を出した。母が中年男と踊りながら今夜の情事の打合せをしているのを聞いた亜砂子は、峯雄のアパートのダイヤルを回した。「亜砂子よ、行っていい?」その後の数週間というものは、二人にとってめくるめくような愛の日々だった……。真夏のある日。峯雄は、車の前を横切ろうとした少年を助けようとして軽い怪我をした。診察医は峯雄に、気になることがあるから精密検査を受けるようにと勧めた。そして、検査の結果、峯雄の入院が決った……。9月のある日、亜砂子は担当の土屋医師から、峯雄が白血病であることを知らされた。「白血病って、死んじゃうんですか!はっきり言って下さい!」亜砂子は狂ったように医師につめよった。「もし、不幸にも化学療法が効かなかった時、半年か一年の命です」医師の言葉が終るか終らないうちに、亜砂子はその場で気を失っていた。亜砂子にとってつらい日々の始まりだった。峯雄は多量の投薬によってか、しだいにやつれていったが、来年の油絵新人展に出品するのだ、とベッドの中でデッサンを始めた。そんな姿を見るにつけ亜砂子の胸は今にも張りさけそうだった……。その年の終りに、峯雄の状態がよいので、一週間の退院許可が出され、二人は雪の軽井沢へ出かけた。雪の中をまるで子供のようにはしゃぎまわる峯雄を見て、亜砂子は自分の心に言い聞かせるのだった。「彼が白血病だなんて誰が信じるだろう。大丈夫、きっと治る」短い旅が終り、病院へ戻った峯雄の病状は悪化の一途をたどった。だが、絵を描く事だけは止めず、亜砂子をモデルにした「白い少女」の完成は真近だった……。4月になった。もう峯雄は昏睡状態をくり返していた。そんな時、彼の絵「白い少女」が特選になったとのニュースが入った。病院での祝賀パーティの日、亜砂子と峯雄はささやかだが、素晴らしい結婚式を挙げた。その晩、峯雄は亜砂子と並んで寝ながら、「ありがとう」と言うと、そのまま眠るように息をひきとった……。亜砂子は、目もさめるような新緑の軽井沢をひとり静かに歩いていた。峯雄の残した小さなかたみを抱きながら……。

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