宇能鴻一郎の濡れて立つ
劇場公開日:1976年1月24日
解説
宇能潟一郎の官能小説の映画化第3作目。新婚の夫婦が自分の家を持とうと悪戦苦闘する姿をユーモラスに描いた艶笑喜劇。脚本は「OL日記 猥褻な関係」の佐治乾、監督は「新妻地獄」の加藤彰、撮影も同作の仁村秀信がそれぞれ担当。
1976年製作/75分/日本
配給:日活
劇場公開日:1976年1月24日
ストーリー
佐瀬泰子と桧田井造の若い二人は結婚を間近に控えて、新居探しに精を出している。そして、分譲造成地に下見に行くのだが、井造は、すでに家を建てたつもりになって、泰子を求める。が、井造はすぐに果ててしまい、少々不満な泰子。結局、その土地は二千五百万円もするので、いくら井造が東大出の高給取りとはいえ諦らめる事にして、今度はマンション捜し。だが、部屋を下見する度に、井造は、大胆にも泰子にセックスを強要する。やがて結婚、新居はやむなく2DKのアパート。にもかかわらず、井造は相変らず、家を建てる事を夢みて、設計図を描いている。しかも、セックスの最中にも及んだため、泰子はウンザリする。泰子は、従妹と彼女の恋人の情熱的なセックスや、姉と従兄の貪欲で淫乱なセックスを知るにつけ、自分達のセックスが子供だと痛感する。そんなある日、泰子の祖父が死んで遺産として土地が手に入った。いよいよ具体化できると思ったのも束の間、井造の設計は夢みたいな物ばかり。そこで、ついに泰子は、自分が積極的になる事を決意。早速、有名な設計家の吉野や、銀行の支店長の徳永に近づいた。浮気して、セックス技術も上達し、そして、新居建築に協力してもらう、という一石三鳥。だが、やっと家が建ったと思ったら、井造は全てを知っていて「この家は、君が体を濡らして、建てたんだ。僕のじやない」と言い、自分は会社の独身寮に移った。それから奇妙な別居生活が始った。泰子は朝、弁当を井造に届け、夕方、井造が泰子を訪ね、食事をし、セックスをし、寮に帰っていくのだ。泰子は、念願の家も建ったし、井造は新鮮に愛してくれるし、とても幸せだった。