チロヌップのきつね
劇場公開日:1987年
解説
北の海にあるチロヌップという小さな島に住む、キツネたちを主人公に母子の愛を描く。高橋宏幸原作の同名絵本のアニメ化で、脚本は「きみが輝くとき」の松山善三、監督は「六神合体 ゴッドマーズ」の今沢哲男がそれぞれ担当。
1987年製作/72分/日本
配給:ヘラルド・エンタープライズ
劇場公開日:1987年
ストーリー
北の海に浮かぶチロヌップという小さな島。春、きつねざくらが咲く頃に二匹のきつねが生まれた。父親ぎつねのケン、母親ぎつねのチンは男の子にカン、女の子にコロと名づけ平和に暮らしていた。毎年、この時期になると老夫婦がこんぶを採りにやって来る。彼らはお地蔵さんの前で、親からはぐれてしまったコロと出会い、自分達の子供のように可愛がった。秋になり、日々戦争が激しくなったため兵隊たちが島にやって来た。兵隊はきつねの毛皮欲しさに、きつね親子を狙いカンとケンは鉄砲で撃たれてしまう。家族のもとにもとったコロも兵隊の仕掛けた罠にはまり、身動きができなくなってしまう。そんなコロにチンは一所懸命にエサを運んだ。やがて冬になり、雪が降り始めた。チンは歩くのもつらくなりエサを運べなくなる。抱き合ったチンとコロの上に雪が降り積っていく--。時は流れ、戦争も終り春が来た。チロヌップ島に戻ってきた老夫婦は、きつねざくらが二匹の親子ぎつねのようにかたまって咲いているのを見つけた。そばには妻がコロの首につけた鈴が落ちていた。妻は鈴を抱きしめ、二人はいつまでも立ち尽していた。