ユニコ 魔法の島へ

劇場公開日:1983年7月16日

解説

生き人形にされた人間や動物を救うため、愛と勇気で魔法使いと戦うユニコの姿を描く。一昨年、公開された「ユニコ」の第二弾。前作同様、手塚治虫原作のアニメ化で、脚本、監督は村野守美が担当。主題歌は、白鳥英美子(「ドレミファ・ララバイ」)。

1983年製作/91分/日本
劇場公開日:1983年7月16日

あらすじ

西風の精に小さな村においていかれたユニコは、森で魔法使い、ククルックの弟子トルビーが吹く美しい笛の音を聞く。トルビーはククルックの命令で森の動物を生き人形にしようとしており、追いかけられたユニコは川に落ちてしまう。気がつくと、ユニコはチェリーという女の子の家にいた。そこにトルビーが訪ねて来た。彼は三年前、家出したチェリーの兄だった。トルビーは、ククルックの命令で村人を次々と生き人形にすると、港で笛を吹きはじめた。すると、生き人形たちは揃って港に向かって歩き出し、トルビーは彼らをククルックの島“ふいご島”に運んだ。ふいご島は生き人形で作られた巨大な城で、後を追ったユニコとチェリーは、すぐにククルックに捕えられるが、トルビーに助けられ村に帰される。そして、お化けの谷に行くと去ったトルビーを追いかけたユニコとチェリーは、そこでスフィンクスなら魔法の解き方を知ってると聞き、スフィンクスの谷に向かう。しかし、谷には子供のマルスしか居らず、マルスの言葉に従い、チェリーは一人で地の果ての木馬に会いに行くことにした。地の果ては遠く辛い旅になるのでユニコをつれていけないと思ったからだ。ユニコはチェリーの優しさに感激し、ユニコーンに変身するとチェリーとマルスを乗せ地の果てまで飛んだ。地の果てはゴミの山だった。木馬の話によると、ククルックは昔、人形劇団で悪役専門のあやつり人形だったが、使いものにならなくなった時、人間に棄てられ地の果てに流れついた。そして、太陽の光で三百年たった時動きだし、人間に仕返しをするため出て行ったという。そして、愛と勇気があれば魔法に勝てると教えられたユニコたちは、ふいご島に向かった。ククルックに皆をもとにもどしてと頼んだチェリーは生き人形にさせられる。ユニコはケンカは嫌だけど戦わなくちゃとククルックに反撃した。そして、ユニコから友達になろうと言われたククルックは、人を憎む心が溶け、小さくなりもとのあやつり人形にもどってしまった。そして、ふいご島は美しい緑の島にもどり、皆、魔法が解け、もとどおりになった。ククルックを見つけ抱きしめるチェリー。ユニコはまた、西風の精に抱かれ遠い空へと旅立って行った。

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(C)1983 SANRIO CO., LTD./TEZUKA PRODUCTIONS (C)2024 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. L64893

映画レビュー

4.0 みんなのトラウマ。でも僕にとっては最高の思い出が詰まった優しさに溢れたユニコーンと少女と人形のおはなし

2025年10月27日
Androidアプリから投稿

ユニコーンの子供ユニコが優しすぎて神様に追放されて次に降り立った国での大冒険が描かれます。
物心ついたころから何度も見ていたアニメの一本。BGMがよく、絵のタッチも絵本のように見やすい作品です。
ユニコは理不尽な理由で神々に追放され、哀れに思った西風(キャラクター)にとある森の中に置いて行かれます。名前以外は記憶を失うようにされていたため、とりあえず手当たり次第に名前を名乗って動物たちと仲良くなろうとしますが、警戒心が強い動物たちは一本角の変な生き物から距離を取り、しかも自称ボスと名乗る山猫に目を付けられ追いかけ回される、挙句変な魔法使いに襲われ川に落ちるなどの前作以上の不遇っぷり。しかし、チェリーという女の子に命を救われてから少女と友情をはぐくんでいく。
しかし、その兄でありさっきユニコを襲った魔法使い(正確には見習い)のトルビーが現れたところで状況が変わる。トルビーとギクシャクした親子兄妹の再会から間もなくその師匠の魔法使いククルックが現れチェリーの両親を生き人形に変えてしまう。トルビーは動物を生き人形に変えてククルックの城に連れてくるよう命令されていたが、ここですばしっこい動物から人間にシフトし、夜の間に町の人間すべてを生き人形に変えてしまう。ユニコとチェリーはククルックとトルビーの悪事を止めることはできるのか?という物語。
とにかくユニコがかわいい!チェリーに必死で着いていく姿やククルックにビビっている姿、お化けの子供たちに釣られて泣いちゃったりと、前作に比べたら少し成長した感じはするが相変わらずの可愛さにほっこりしました。ですがユニコは本当は強い子。本気モードのペガサスの姿に変身したりククルックを倒すほどの鋭い角、チェリーを守るために見せるガッツもすごい。でもユニコのすごさは“優しさ”です。この優しさが今作の敵を倒す最大の決め手となりました。
この物語の悪役のククルック。これが幼いときに見ていた私にとってもこの作品を見た子供たちにとってのトラウマ製造機で、生きた人間を不気味な人形に変える。その人形で城を作る、人をぱくりと食べてしまう(拘束する)恐竜のおもちゃなどを配下にしている、顔や体が様々な色・形・表情に変わってお姉口調で不気味、不気味・怖い・気持ち悪いと思われると喜び魔法の力が増す、そして物語終盤にはユニコを除く全員を生き人形に変えてしまうという絶望的な強さの敵でした。手塚作品でもなかなかな強キャラでユニコでなければ勝てなかったかもしれません。
正体は悪役ばかりさせられ糸が絡まったからというだけで捨てられた操り人形。ある日意思を持ち人間を恨み。恨んで恨んで恨んで今の姿になりました。復讐もかねて人間を人形に変えるのも、生い立ちが生い立ちなだけに当然とはいえ、人形に変えられ嘆き悲しむ家族の姿を見て喜ぶという下劣極まりない悪役。おそらくハリウッドやジャンプ作品ならここまでこじれた悪役はもう倒すしかない、という考えになるところでしょうがユニコは違います。実は強さの単純比較するとユニコより劣るらしくユニコはつい手加減をしてククルックを怒らせます。ユニコはククルックのことを“かわいそう”と素直な感想を言います。今まで嫌われ、恐れられたククルックにとって初めて言われその言葉に動揺します。ユニコは続けて“あんたは寂しいんだ”“ぼくが友達になってあげる”などと優しい言葉をかけていく。憎しみや恨みによってできたククルックの体はどんどんと小さくなっていき、最後は「私の負けだよ」と言ってククルックは消滅して、それと同時に今までかけた魔法が解け人形にされた人たちはみんな元に戻ります。崩れていく城、炸裂する魔法、BGMはとても見ごたえがあり、最後の最後にふわりと浮かんでシャボン玉のように消えた光が、まるでユニコの言葉に救われたククルックにみえました。
そしてユニコはチェリーや一緒に冒険してきた仲間ともお別れの言葉を言えず、誰にも知られずまた西風に連れていかれ消えていく。チェリーはユニコを捜すけどそこにあったのは元に戻った家族や人々、柔らかい表情になった操り人形だけ。チェリーがその人形を大事に抱きしめ物語は幕を閉じます。エンディングはまるで紅の豚を見た後のセンチメンタルな気持ちを沸き起こさせるような歌と映像で、ここで物語と現実を含め、ユニコの所在がぱたりと途絶えます。そのためユニコはどうなったのか。あれから元気なのか。と気になってしまいます。西風は「きっとチェリーはあなたを忘れないわ。」と言います。チェリーだけではありません。僕らもまた会える日を楽しみにして待ってます。あの優しさで憎しみしかしらない魔法使いを救った小さなユニコーンを。

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TAKE

5.0 可愛いユニコ

2025年1月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

幸せ

手塚プロダクション公式YouTube
期間限定配信

またも、西風さんに知らない場所へ連れて行かれたユニコ。
名前しか覚えていなくても、ユニコの優しさは変わらない。

魔法使いが不気味でなかなか怖い。

愛は冷たくなった心を解かす。

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naomi