はみだした男

劇場公開日:

解説

作品それ自体が巨大な迷宮装置を形成するように仕掛けられた、実験映画風の、自己言及を主題としたドラマ。脚本の一人にラテン・アメリカの大詩人ボルヘイスが名を連ねており、ところどころでドラマを撮影するスタッフらの姿を捉えつつ物語が進行する。

1973年製作/フランス
原題または英題:Les Autres
配給:アテネ・フランセ文化センター=質問舎
劇場公開日:1985年5月7日

ストーリー

冒頭に作者たちによる“客電をつけたまま”との指定があり、機材が運び込まれたり人々が忙しげに立ち働いていたりする撮影途上のスナップが映し出される。やがて客電が落ちると、セーヌ河畔で書店を営む初老のスピノウザ(パトリス・ダリー)の遍歴が始まる。彼は、「ぼくは、ぼくの顔を思い出せない」という遺書を残して自殺した息子マテュー(ブリュノウ・デヴォルデール)の死因を追って、マテューと共に死の伝染をテーマとする映画を撮影していた人々を訪ね歩く。スピノウザは美しい天文学者ヴァレリー(ノエル・シャトレ)と出会い、ベッドを共にした。こうしてスピノウザは魔術師(ロジェ・プランション)や、ヴァレリーを襲う暴力的な中年の男や、マテューに瓜二つの新聞記者らの物語に出会っていく。やがてヴァレリーの死によって物語は唐突に終わり、スピノウザは自分自身のみならず魔術師・中年男・新聞記者らすべての登場人物でもあったと告白する。彼は偏在するゆえに自分自身の顔だけが不在の“はみだした男”として、永久にパリ街頭を迷路としてさまよわなければならないのだ。

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