禁男の家

劇場公開日:

解説

フランスの劇作家として名高いジャック・ドゥヴァルが自らシナリオを書卸して監督した映画で氏の第二回監督作品である。主たる出演者「隊長ブーリバ」「不景気さよなら」のダニエル・ダリュー、「シュヴァリエの放浪児」のベティ・ストックフェルド、舞台女優として名あるヴァランティーヌ・テシエ及びエヴ・フランシス、「巴里-伯林」のジョゼット・デイ、新人エルズ・アルガル及びジュニー・アストル、レイモン・ガル等である。「夜の空を行く」「地の果てを行く」の撮影者ジュール・クリュージェが監督ドゥヴァルと協力し、キャメラはクリュージュの助手を勤めて来たマルク・フォサールが担当し、装置はリュシアン・アゲッタン、音楽は「栄光の道」のマリウス・フランソワ・ガイヤールが作曲した。

1936年製作/106分/フランス
原題または英題:Club de Femmes
配給:三映社
劇場公開日:1937年1月7日

ストーリー

ポール・アスーム夫人の遺志によってパリに婦人ホーム「シテ・フェミナ」が建てられた。パリに身寄りの無い若い女性達に温かいベッドと食事とを与え、彼女達を待っている誘惑の魔手から護ってやろう、という趣旨である。かくて、六月十五日「シテ・フェミナ」は後家のファルジュトン夫人の監督のもとに開業した。ハンセン病療院の女医オーブリー女史が専属医師として迎えられる。二十才前後の若い女性約百五十人が寄寓した。その中にはフォリー・ベルジェールの踊り子クレール・リヴィエが居る。彼女はレヴューのスタァとなるのが望みである。交換手のエレーヌは恋人の源氏屋モーリスの手先となって、娘達に誘惑の魔手を延ばすべく住み込む。クレールは其の手に乗らなかった。彼女には恋人ロベールがある。コペンハーゲンから絵画の勉強に来たグレタ・クリュネルは誘惑に陥り、絵の勉強はそこのけで、夜毎男と遊んだ。医学生のアリス・クールタは、金髪のタイピスト、ジュリエットの無邪気さに同性愛を感じ彼女が田舎に居る恋人へ出す手紙をそっと破いて棄てる。クレールはロベールと会う事が出来ないので、遂に彼を女装させて従姉スュザンヌだと言って出入りさせる。或夜グレタはモーリスに強請されて一アメリカ人のアパートに泊まり、金を盗もうとして発見され、留置場に入れられ、放免はされたが激動の為に病気になる。病気がなおるとグレタは八十六になるイギリス貴族カリンデール卿と婚約する。一夜自習室に小火があり、それを消すのに大童になって活躍した為に、クレールの部屋に泊まっていたロベールは化けの皮がはげる。翌日、クレールは規則違反で追い出されようとしたが、オーブリー女史の弁護で許される。その同じ夜エレーヌに欺かれたジュリエットが操を奪われて帰って来る。そして内気な彼女は失踪してしまう。一月待っても音沙汰が無い。アリスはジュリエットを失った怨みを張らそうと、エレーヌが註文したチョコレートに毒薬を投じる。死んだエレーヌは女医の計らいで穏やかに葬られる。アリスが告白すると、女医はアリスを大洋洲の孤島にあるハンセン病療院の終身看護婦として送った。クレールはロベールの子を宿して居た。そして月満ちてオーブリー女史の手で安産した。創立一年祭の日、監督ファルジュトン夫人は演説した。私は皆さんを天使として、ここに保護しようとしたが、皆さんは天使ではなく若い女性でした。これからは若い女性として遇するつもりです。

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