シラノ・ドウ・ベルジュラック(1923)

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解説

エドモン・ロスタンの麗筆に描かれたフランス国中世紀のロマンスで、「月光の曲((1920)」「さらば青春」「女(1917)」等の名篇で知られているアウグスト・ジェニーナ氏が脚色及び監督をした。主役はピエール・マニエ(イタリアではPietro)氏とリンダ・モグリア嬢の二人。マニエ氏はポルト・サン・マルタン座においてシラノを演じた事がある。因みにこの映画はイタリアの映画界の衰微した当時、その快復を計ってイタリアの名監督ばかりが集まって組織したD.A.Iで作られたものである。(無声、全5篇)

1923年製作/113分/イタリア
原題:Cyrano de Bergerac

ストーリー

十七世紀半頃ルイ十三世時代のフランスパリに於ける物語である。主人公シラノ・ド・ベルジュラックは奇怪なる鼻の持主。詩人であり剣客であり哲学者であり音楽家であり、強きを挫き弱きを援ける任侠の武士であった。彼はロクサーヌと呼ばれる美しき従妹を心秘かに恋していたが、彼女はガスコーニュ青年隊に加わったクリスチャンと云う美男の若き貴族に恋していた。これを知ったシラノは我が恋を諦めて二人の恋の成就を祈り、才気の無いクリスチャンに代わって乙女に送る恋文の代筆までもしてやった。熱い思いを訴えたその手紙に心動かされロクサーヌは遂にクリスチャンと結婚する。時しも西班牙とフランスとの間にはアラスに於て大激戦が開かれた。シラノとクリスチャンの属する青年隊も出征したが、クリスチャンは妻が愛しているのは美しい文章を書いた優しい心の持主を慕っているのであると知って、絶望の極に戦死を遂げる。十五年の後、ロクサーヌは修道院に日を送っていたが、かねて彼女を恋していたド・キッシュ伯爵は執拗に彼女の許を訪れた。シラノは戦場で傷ついた後は尾羽打枯らしているが、ド・ギッシュの輩下に襲われて重傷を負い辛くもロクサーヌのいる修道院へ辿り着いた。彼女はこの時初めて手紙の主がシラノである事を知ったけれども、時は既に遅かった。シラノは立木に寄りつつ剣を抜いて、見えぬ悪霊と戦いつつ痛快なる浪漫的反逆者として死んでいった。

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