ヒットラーなんか知らないよ

劇場公開日:

解説

一九六二年から六三年にかけて当時23歳のベルトラン・ブリエが監督した作品で、現代フランスの若者の記録とでもいうべきシネマ・ベリテの注目作である。エクレール撮影所のむきだしになった巨大なスタジオが舞台で、そこに11人の若者が一人ずつ召喚され、監督の質問に、彼らは自由に大胆に答える。別々にインタビューされたのであるが巧みなモンタージュで、あたかも彼らが一室に集って青春について討論しているかのように映画は作られている。ジェラール・エダンの原案を、ベルトラン・ブリエが脚色・台詞・監督を担当し、撮影はジャン・ルイ・ピカヴェ、音楽は「しのび逢い」のジョルジュ・ドルリューである。出演はユゲット(18歳)、ルネ(19歳)、アンドレ(22歳)、アラン(19歳)、リュシアン(21歳)、クリスチャン(18歳)、ジャン・ピエール(20歳)、ニコール(19歳)、ズーズー(19歳)、オデット(16歳)、エチエンヌ(16歳)の11人である。製作はアンドレ・ミシュラン。

1963年製作/フランス
原題または英題:Hitler...Connais pas
配給:ATG
劇場公開日:1968年8月24日

ストーリー

この映画に出演する十一人の若者のプロフィールは次のとおり。ユゲット=清純な十八歳の少女。ひとりパリに出て働いていたが男にだまされて妊娠し、今はティーン・エイジャーのための母子寮に住んでいる。子供だけが生甲斐である。ルネ=十九歳の電気技師。ケンカばかりしている貧しい両親。ある日、家出したが、たちまち金に困り、老婆のハンドバッグを強奪。だが、そのお金を使うひまもなく捕えられ、感化院に入った。アンドレ=実業家の御曹子で二十二歳。社長二世を絵にかいたような男で、なんでもファイルするのが好き。季節別のバカンスのファイルさえある。アラン=十九歳のきわめて都会的な青年。働く気がしない、と宣言しながらも、一方では、金儲けの才覚もあり、女の子たちからは実業家とさえ呼ばれている。リュシアン=二十一歳。孤児院育ちで、一人で大学まで出た。自分の基盤はマルクスとドストエフスキーだと語る。クリスチャン=十八歳。金髪の大柄な青年。両親の離婚騒動のため各地を転々とし、教育も遅れがち。普通の家庭に生まれたかったと語る。ジャン・ピエール=二十歳の組立て工。母は再婚。養父ともうまくいき、休日にはとんで帰る。夜学に通っているが将来は仕上げ工になりたい。ニコール=十九歳のタイピスト。豊かな家庭に育ち、十八歳で恋をして以来一年間に多数の男と関係を持った。そして征服記録と称する手帖は男の名前でいっぱい。両親や社会に対して反抗的だが、話が進展するにつれて、彼女自身の矛盾も大きくなっていく。ズーズー=十九歳のファッション・モデル。モデルという職業は楽しい。ロカビリー歌手を誘惑し同棲していたが、両親が、うるさく言うので結婚した。エチエンヌ=十六歳の高校生。半歳年上というガールフレンドのことを語る黒い瞳の少年。オデット=十六歳の女子高校生。英国にいた頃に知りあったボーイ・フレンドは、とてもやさしい。平凡だが幸福な少女。

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