めざめ(1968)

劇場公開日:

解説

「女は夜の匂い」で登場したヌーベル・バーグ派のミシェル・ドヴィルがニナ・コンパネーズと共同で脚本執筆し、彼自身が監督した艶笑譚。撮影は「ロシュフォールの恋人たち」のギスラン・クロケで、ブランデーの醸造で名高いヘネシー家の城でロケを敢行、音楽はボッチェリーニ、モーツァルト、ハイドンなどの古典を使い、選曲その他の音楽監督はジャン・ヴィーネ。出演は「昼顔」のカトリーヌ・ドヌーヴとミシェル・ピッコリ、同じく「昼顔」の新人ピエール・クレマンティィ、大女優ミシェル・モルガン、「女は夜の匂い」のオディール・ヴェルソワほか。製作は「シェルブールの雨傘」「幸福」など、今やフランスの名作を一手にひきうけている感さえある女流のマグ・ボダール。

1968年製作/フランス
原題:Benjamin
配給:パラマウント
劇場公開日:1968年9月7日

ストーリー

バンジャマン(P・クレマンティ)の手帳は、女性との交遊の記録で、ぎっしりと埋まっている。色ざんげともいえる、この修業録の一頁目は……。彼は孤児院育ちの、不幸な少年であった。ところが伯母のバランダリー伯爵夫人(M・モルガン)の城へ引きとられてからというもの、彼の生活は一変した。田舎者のバンジャマンにとっては豪華な城も、きらびやかな女たちもすべて別世界。世間知らずばかりか女性についてもウブな彼は、城の女中たちからも、からかわれ、つけまわされた。そこへ、伯爵夫人の愛人フィリップ(M・ピッコリ)が現われ、色道修業の教師になることを宣言した。まず彼は、美しい少女アン(C・ドヌーブ)に近づき、バンジャマンの前で誘惑してみせた。次は、人妻に同じことを……。これすべて、バンジャマンを教育するためだったが、フィリップの誘惑ぶりが、あまりに巧みなので、アンもついつい、まんざらでもない気持になっていった。ところで、このアンの気持の変化を、いち早く読みとったのはバランダリー夫人である。フィリップを、この若い娘にとられては大変だという懸念からか、彼女を相手にして、男についての論争を始めるのだった。そんな時、城の馬小屋が火事になった。招待客にとっては、座興のひとつにすぎないが、だが、そんな騒ぎをよそに、アンはひとり、バンジャマンの部屋にしのび込んだ。彼女はバンジャマンに、フィリップと結婚すると告げ、彼の前に身体をなげだした。“男を知らない清らかな私の身体は、女を知らない清らかなあなたにあげるのです”と堂々と言いはなつアン。この一件で女性開眼したバンジャマン。彼の色道修業の第一頁目は、こうして始まったのである。

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