太陽のならず者

劇場公開日:

解説

原作はフランスの有名な〈セリー・ノワール〉の一篇である、J・M・フランの“活動家”で、これをアルフォンス・ブーダールとジャン・ドラノワが映画用に脚色し、「ギャンブルの王様」のジャン・ドラノワが演出を、台詞をアルフォンス・ブーダールがそれぞれ担当した。撮影は「皆殺しのバラード」のワルター・ウォティッツで、音楽は「男と女(1966)」の新進フランシス・レイが受持った。出演者には、「地下室のメロディー」「皆殺しのバラード」に続くジャン・ギャバン、テレビ「アンタッチャブル」のネス隊長ことロバート・スタック、「地獄のランデブー」「貴方にひざまづいて」などに出演し、イタリアのマリリン・モンローと言われるマーガレット・リー、「大列車作戦」のシュザンヌ・フロン、「殺意の瞬間(1956)」のリュシエンヌ・ボガエルなど。製作はレイモン・ダノン。イーストマンカラー、フランスコープ。

1967年製作/フランス
原題または英題:Le Soleil Des Voyous
配給:東和
劇場公開日:1967年9月16日

ストーリー

六十歳をこえたドニ・ファラン(J・ギャバン)は、フランスの小都会で喫茶店、ガレージ高級レストランを経営、静かな生活を送っていた。彼の若い時は波乱にみちた生活の連続であった。〈名人ドニ〉と呼ばれ、大胆な悪事は、まだ一度も警察に捕まったことがなかった。十五年前にマリー・ジャンヌ(S・フロン)と結婚したのを機会に足を洗い、今は善良な市民生活を送っていた。彼は、自分の経営する喫茶店の前の銀行に、毎月末、近くにキャンプするアメリカ軍が、五億フランの給料を取りに来るのを見て、昔のくせがうずいていた。そんなある日、昔、サイゴンで仕事をした仲間のアメリカ人、ジム(R・スタック)と再会した。悪事を働くその腕の確かなことで知られた、ジムと会ったことで、ドニは銀行襲撃を決意した。二人は慎重に計画を練った。そんな数日を過している間に、ドニの喫茶店の会計係ベティ(M・リー)とジムの関係ができてしまった。そのうえ、計画までかぎつけられたため、二人はベティを仲間に加えた。そして、十一月の月末、銀行から五億フランの金が消えた。その鮮かな手口から、ドニたちの犯行とにらんだ、麻薬密売団のボス、アンリ(J・トパール)は、マリーを軟禁、五億フランの身代金を要求してきた。妻のために、ドニは金を払うことを決心、ジムはドニのために自分の分け前を提供しようと申し出た。二人の男の友情のかたいことを知ったベティは、五億フランをアンリにとられるよりはと、一人で持ち逃げしてしまった。弱った二人は大博奕を打つことにした。ドニがから手で、アンリらのギャング団の家に乗りこみ、そのすきを狙って、ジムがアンリの老母を脅かし、電話でドニとマリーを逃すよう、アンリに連絡させようというのだ。この計画はうまくいった。しかし、ジムはアンリの老母に背後から射殺された。一方、ベティはスピード違反で停車を命じた警官に怪しまれ、トランクの金を見つけられてしまった。信頼する仲間を失い、使用人の女に金を持ち逃げされたドニの心は重かった。ベティの乗った車から、足がついたとは知らないドニは、翌日、何くわぬ顔で銀行に取引きに出かけるのだった。

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