トーハウ ベトナムの若い母

解説

ブイ・ダク・アイの脚本を、ハン・キ・ナムが監督したレジスタンス映画。撮影はグエン・ハン・デュ、音楽はラン・ゴク・フォンが担当した。出演はチャ・ジャン、ラン・フォン、バ・ドほか。製作はホアン・フイ・ラン。

1962年製作/北ベトナム
原題または英題:Chi Tu' Hau

ストーリー

一九五〇年のある日、南ベトナム中部にある平和な村バイ・サオは、フランス軍の暴行と略奪にあった。トー・ハウ夫人(T・ジャン)も犠牲者の一人で、飢えたフランス人将校と、彼らに通じる地主の息子ハイ・バウ(M・リ)に手ごめにあった。夫は祖国解放の人民軍と共に戦線にあり、その留守中の出来事だ。気も狂わんばかりのトー・ハウ、しかし泣き叫ぶ赤ん坊フイの声に冷静になった。やがて帰ってきた夫のホア(T・フォン)は、すべてを知り、胸かきむしられる思いだったが、同時に二人の愛情はより強く増し、敵への憎しみもまた強く増したのだった。戦闘はいつ終るともなくつづいた。そして夫のホアは戦死した。よりどころを失なったトー・ハウにとって、茫然の幾日がすぎた。しかし抵抗運動に生甲斐を見出した彼女は、進んで人民軍への協力を約束した。だが不幸はつづいた。娘のフイが敵軍に拉致されてしまったのだ。抵抗軍での仕事と、娘を助けにいこうとする母の苦悩の板バサミに彼女は苦しんだ。しかし人民軍の反撃はフランス軍を撃破し、トー・ハウは娘の無事な姿を見つけた。喜び、だがそれもつかの間、彼女を狙うハイ・バウの一弾が、彼女の胸を射抜いた--。

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