彩られし幻想曲

劇場公開日:

解説

「汽車を見送る男」のハロルド・フレンチが一九五四年に監督した色彩映画で、「三つの恋の物語」のモイラ・シアラーが主演する。原作および脚色は「超音ジェット機」のテレンス・ラティガン、イーストマンカラー色彩撮影は「落ちた偶像」のジョルジュ・ペリナール、音楽は「コンクリートの中の男」のベンジャミン・フランケルである。シアラーをめぐる出演者は「壮烈カイバー銃隊」のジョン・ジャスティン、「スパイ」のローランド・カルヴァ、ハリー・アンドリュース、デンホルム・エリオット、グラディス・クーパーなどである。

1954年製作/イギリス
原題または英題:The Man Who Loved Redheads
配給:東和
劇場公開日:1955年2月19日

ストーリー

外務省に勤めるマーク・セント・ネーツ(ジョン・ジャスティン)は、すでに妻子のある身でいながら、少年のころ、かわらぬ愛を誓った赤髪の十六歳の少女シルヴィア(モイラ・シアラー)の面影を忘れることができなかった。ある日、シルヴィアと瓜二つのダフネという赤髪の女に出会い、その夜彼女を食事に誘ったのがきっかけで、ライトという偽名のもとに、妻とダフネとの間に秘密の二重生活を送るようになった。それから十年あまりして、マークはまたもやシルヴィアそっくりの赤髪のバレリーナ、オルガを知り、たちまち心は彼女の許に走ったが、今度の二重生活はあまり長く続かなかった。そして数年、マークはフランス大使となっており、パリのファッション・ショーで三たびシルヴィア生き写しのマネキン女コレットを見出し、たちまち親しく交際するようになったが、息子の舞台を彼女とともに見に行った際、妻のキャロリンと顔を合わせ妻が内心夫の浮気を知りつくしながら、咎め立て一つしないのにつよく心を摶たれた。息子の成功を讃える祝賀会の席上、マークは妻からシルヴィアという老女性を紹介されたが、その女性こそ彼がかわらぬ夢を抱き続けていた当のシルヴィアとは気づかず、かえって自分の妻キャロリンこそおのが理想の赤髪の女性であることを悟るのであった。

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