禁じられた恋の島

劇場公開日:

解説

一九六二年のサン・セバスチャン映画祭で最優秀映画賞を獲得。原作はイタリアの作家エルザ・モランティ。監督は「くち紅」の新人ダミアーノ・ダミアーニ。撮影はロベルト・ジェラルディ。シナリオはダミアーノ・ダミアーニ、ウーゴ・リベラトーレ、エンリコ・リブルチの三人が「豊かなる成熟」「自転車泥棒」などのシナリオ・ライター、チェザーレ・ザバッティニーの協力を得て執筆している。音楽は「イタリア式離婚狂想曲」のカルロ・ルスティケリ。主役は三人とも新人で、アルトゥロになる十六歳の男の子ヴァニ・ド・メイグレはフランス系のイタリア人。アルトゥロの父親役のレジナルド・ケルナンはアメリカ人。後妻役のケイ・マースマンもアメリカ生れで、カルロ・ポンティに認められて映画に初出演した。製作はカルロ・ポンティ。

1962年製作/イタリア
原題または英題:Arturo's Island
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1963年8月18日

ストーリー

ナポリ湾の小島プロチーダに、今年十六歳のアルトゥロ(ジラルディ・デ・メイグレ)は父ウィレム(レジナルド・ケルナン)と二人きりで住んでいた。父は、ほとんど家に居ず、島を離れると数カ月も戻らぬことがあった。父を尊敬しているアルトゥロは淋しかったが、父は何か素晴らしい冒険を試みているのだと思っていた。その父が、美しいヌンチアータ(ケイ・マースマン)という若い娘を妻として連れてきた。アルトゥロは、初め彼女を憎み、またその美しい異性に何か少年らしい反揆を感じるが、やがて複雑な思慕の情をおぼえるようになる。そのうち、ウィレムがまた島を出て行き、アルトゥロとヌンチアータだけの暮しが始まった。数カ月過ぎて彼女が男の子を生んだころ、アルトゥロの彼女に対する想いは激しい恋に変っていた。ヌンチアータは、少年を愛したが、義理の親子の垣を越えようとはしない。そんなとき、サーカス芸人あがりの女テレサがアルトゥロに近づく。一度は誘惑に負けた少年だったが、自分が心を捧げるのはヌンチアータだけだと、改めて思い知るのだった。ウィレムが戻ってきた。みすぼらしく疲れ果てた姿で--。しかも、その同じ船で護送されてきた囚人トニーの脱獄を助け、わが家にかくまう父。トニーに出て行ってくれと頼むと、彼はウィレムと一緒に島を出て行くのだとうそぶく。彼らは同性愛なのである。アルトゥロは、父がトニーのような男に頭が上らぬのを目撃してショックだった。その夜、アルトゥロは島を出た。父とヌンチアータへの愛情を心の奥底に秘めて……。

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映画レビュー

4.0禁断の恋の話

2017年4月20日
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鷹の爪1号