ビアンカ
劇場公開日:1963年1月6日
解説
マリオ・プラテッシー原作の『遺産』L'Ereditaを「若者のすべて」のヴァスコ・プラトリーニとパスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ、マッシモ・フランシオーサの三人が脚色、「狂った情事」のマウロ・ボロニーニが監督した恋愛文芸映画。撮影は「豊かなる成熟」のレオニダ・バルボーニ、音楽は「十七歳よさようなら」のピエロ・ピッチオーニがドビュッシーの曲をアレンジして使っている。製作はアルフレド・ビニ。出演者は「勝負をつけろ」のジャン・ポール・ベルモンド、「鞄を持った女」のクラウディア・カルディナーレ、「くち紅」のピエトロ・ジェルミ、「自殺への契約書」のポール・フランクールなど。
1961年製作/イタリア
原題または英題:La Viaccia
配給:大映
劇場公開日:1963年1月6日
ストーリー
一八八五年、中部イタリアのトスカーナ地方のビアッチャとよばれる広い農園に、父のステファーノ(ピエトロ・ジェルミ)や姉と住んでいた働き者の青年アメリーゴ(ジャン・ポール・ベルモンド)は、祖父の死を機に近くのフローレンスに行くことになった。伯父の営む酒屋で働くことになったアメリーゴにとって、街での生活はすべてが新鮮だったが、店では病弱な伯父と財産目当の情婦ベッパが口汚く罵り合っていた。ある日使いに出て雨宿りしているアメリーゴに、美しい女が笑いかけた。女が娼家に入るのを見たその日から、彼は娼家に入りびたるようになった。女の名はビアンカ(クラウディア・カルディナーレ)、彼にとって最初の女だった。伯父の小銭まで持ち出すアメリーゴを激怒した父親は彼を田舎に連れ帰った。ビアンカに会いたさに厳しい監視下をぬけ出して街に来たアメリーゴも、無一文ではどうすることも出来なかった。そんな息子を、根っから百姓の父親は理解できず勘当した。娼家に用心棒として住みこんだアメリーゴはビアンカの傍に居られるだけで満足だった。金のことしか考えなかったビアンカも彼の真情にほだされ、二人は初めて心が通い合った。伯父が死んで財産はベッパにとられ、アメリーゴはビアンカをめぐる争いで客に腹を刺されて入院したが、彼女は見舞に来なかった。病院をぬけて娼家に辿りついたアメリーゴに、娼家のマダムはビアンカは居ないと嘘ついた。泥沼の生活が一番ふさわしいと考え直したビアンカが身をひいたのだ。狐独と絶望に打ちひしがれたアメリーゴは、いつしか街を出てビアッチャの家のすぐ近くまで来ていた。だが多量の出血に力つきてそこに崩れ折れたアメリーゴに気づく者はなかった。消えようとする意識の中で、彼は雨のフローレンスでビアンカに初めて逢った日のことを想い出していた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- マウロ・ボロニーニ
- 脚色
- バスコ・プラトリーニ
- パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ
- マッシモ・フランチオーザ
- 原作
- マリオ・プラテッシー
- 製作
- アルフレド・ビニ
- 撮影
- レオニーダ・バルボーニ
- 音楽
- クロード・ドビュッシー
- 音楽監修
- ピエロ・ピッチオーニ
受賞歴
第14回 カンヌ国際映画祭(1961年)
出品
出品作品 | マウロ・ボロニーニ |
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