穴(1960)

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

「現金に手を出すな」などで知られるフランスの名匠ジャック・ベッケルの遺作で、1947年にパリのサンテ刑務所で実際に起きた脱獄事件を題材に撮りあげた傑作クライムサスペンス。事件の実行犯の1人であるジョゼ・ジョバンニの小説を原作に、脱獄計画から実行に至るまでの顛末を緊張感たっぷりに描く。サンテ刑務所の同じ監房に収監されているロランら4人の囚人は、地下に穴を掘る脱獄計画を練っていた。そんな彼らのもとに、ガスパルという若い囚人が入ってくる。4人は迷った末に彼を仲間に入れることを決め、穴を掘り進めていくが……。実際に事件に関わった元囚人ジャン・ケロディがロラン役で出演。

1960年製作/132分/フランス
原題または英題:Le Trou
配給:東和
劇場公開日:1962年4月7日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

4.0タイトルは穴でも全く穴のない脱獄映画の傑作

2024年11月27日
iPhoneアプリから投稿

パリで実際に起きた脱獄事件を題材にした脱獄ものの傑作で、全編にわたり緊張感が途切れることのない監督のジャック・ベッケルの手腕に感服しました。五人の未決囚が雑居房の床板を剥がしコンクリートを砕いて地下水道から脱獄する極めてシンプルなお話しです。脱獄ものによくある、冷酷な刑務所長や看守も出てこないし、主人公達と対立する囚人も出てきません。とにかくひたすら、コンクリートを砕きセメントを崩し鉄格子を切断するシーンが延々と続くだけの展開なのに、画面から目が離せないのは、多くを語らない男たちの絆と目的に向かってのひたむきさに強い共感を感じるからです。こう言うお話は、さすが原作・脚色担当のジョゼ・ジョバンニの独断場と思ったら、彼自身が実行犯の一人との事で納得。役者では、実際に事件に関わったジャン・ケロディが、若い時のアンソニー・クインのような風貌で素人とは思えない達者ぶりです。獰猛な顔つきのミシェル・コンスタンタンも、いい役どころでした。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
シネマディクト

4.0ラストよ

2024年7月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
ouosou

3.5実話!!

2023年1月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

しかも、実際に脱獄した当人(ジャン・ケラウディー)も出演しているという!!物語はとてもシンプルで、看守の目を盗んでひたすら穴を掘るだけですが、とってもスリリングでした。この脱獄が成功するのかが主旋律だとすれば、囚人5人の関係性が副旋律ですね。個人的に「極道めし」(11)が好きですが、狭い空間で大の男たちが1日中一緒に暮らすという極限状態で起こる化学反応が見所です。クライマックスが見事ですね。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
赤ヒゲ

3.5ちょっと息苦しくなった

2020年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 カンコン、カンコン・・・こんなにでかい音を立てても平気なのか?などとも思いつつ、狭い通路を通り抜け脱走を試みる5人の囚人。床のコンクリートを叩き割り、地下通路まで到達してからもスリル満点。そして地下水路に向けてまた穴を掘りだす。こんなに単調な作業だけれども、なぜか引き込まれる。夜中の作業は二人ずつ交代で、チームワークも完璧。

 何日もかかる作業がほんとに大変。「眠っておけ」などと仲間を励ますところもいいんだけど、つい眠くなってしまう場面もあった。そんな中で気に入ったのが、二人欠けた就寝時に人形を使って足を動かしたり、盗んできた薬瓶で砂時計を作ったりと、凝ってるところ。

 さらにモノクロの中で噴き出す汗と落盤事故が強烈。『大脱走』の時に感じた息苦しさと同じだ。このまま彼らは脱走できるのか!?それとも・・・と、すべて実話だというから驚きだ。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
kossy