女は選ぶ権利がある

劇場公開日:

解説

「ローマの女」以来久しぶりのルイジ・ザンパ作品。しかもホーム・ドラマである。脚本はパスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ、マッシモ・フランシオーサの二人とザンパの共同。撮影はガボール・ポガニー。音楽はレンツォ・ロッセリーニ。出演は、「激しい季節」のジャクリーヌ・ササール、「カルタゴ」のホセ・スアレス、「カビリアの夜」のフランンワ・ペリエのほか、マッシモ・セラートら。製作シルヴィオ・クレメンテッリ。

1959年製作/イタリア
原題または英題:All of Us Are Guilty
配給:MGM
劇場公開日:1960年7月20日

ストーリー

イタリアのある大都市に、若い検事アンドレア(ホセ・スアレス)が着任した。彼が下宿したボネリ家は、保険会社に勤める主人のルイジ(フランンワ・ペリエ)、妻エシリア、新聞記者をしている息子ルチアノ、そして十七歳になる娘カルラ(ジャクリーヌ・ササール)の四人暮しだった。一見平和なこの家族の間に風波の立ち騒ぐのを、アンドレアは見た。派手好きなエミリアは、安サラリーに甘んじる夫に不満を抱き、カルラを金持ち息子のピエリーノに嫁がせようとしていた。アンドレアの最初の仕事は、沖仲士の監督アミルカレが荷揚げ作業員の青年、オルランドに襲われ重傷を負う……という事件だった。アミルカレはワイロを使う者にしか仕事を与えず、一本気なオルランドがこれを非難した。しかしオルランドは愛人のマリアと結婚したいばかりに、止むなくワイロで仕事を頼んだ。だが、彼に根をもつアミルカレは拒んだため、カッとしたオルランドが犯行に及んだというのであった。アンドレアはオルランドに同情したが、作業員仲間は仕事を失うことを恐れ、誰も証人に立つ者はなかった。アミルカレは死に、オルランドは殺人罪で起訴された。ボネリ家では、持前の潔癖からルイジは失職し、悪名高い男ウゴに頼った。ウゴが仕事を世話したが、彼は美しいカルラに眼をつけた。ピエリーノの母親の反対で結婚の夢を破られたエミリアは、ウゴと娘を接近させた。カルラはついに妻のあるウゴの誘惑に負けた。或る日、ウゴの家を訪れたルイジは娘とこの破廉恥男の関係を知った。絶望したルイジはその夜自殺したが、計らずも妻と娘がその道連れになった。ルイジとオルランドの悲劇を前に、アンドレアは自分の無力と、人を裁く無意味さを悟り辞表を提出した。しかし獄中のオルランドをいつまでも待つというマリアの愛と勇気に、アンドレアは再び自分の任務の重さを知り、辞表を撤回した。

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