クレオパトラ(1959)
解説
歴史上に有名な紀元前五十年頃のエジプトの美女クレオパトラをヒロインとするイタリア史劇。「白い道」のエンニオ・デ・コンチーニの脚本を「剣闘士の反逆」のヴィットリオ・コッタファヴィが監督した。撮影はマリオ・パチェーコ。音楽をレンツォ・ロッセリーニが担当している。出演するのは「狂った野獣」のリンダ・クリスタル、「剣闘士の反逆」のエットレ・マンニ、「ローマの旗の下に」のジョルジュ・マルシャルら。イーストマンカラー・スーパーシネスコープ。
1959年製作/イタリア
原題または英題:Le Legioni di Cleopatra
ストーリー
紀元前三七年--ローマの勢力は強大になり、アウグストは皇帝の地位につかんとした。エジプトにいるアントニオ(ジョルジュ・マルシャル)を滅ぼすことが先決だった。アントニオがかつてローマで政権にあった頃、執政をつとめたクリディオ(エットレ・マンニ)はローマ人同士の戦いを憂い、アントニオを説得するため単身アレクサンドリアに向った。美貌の女王クレオパトラ(リンダ・クリスタル)に魅せられたアントニオは、アレクサンドリアの女王の宮殿で権勢を誇っていた。身分を偽って潜入したクリディオは安宿イラスの店で機会を待った。剣闘士になる望みは、嫉妬深い剣闘士の長ヒモプチオンの反感に会って果たせなかった。イラスの店に美しい踊り子ベレニーチェが現れた。その美しさに魅せられたクリディオと彼女は暗闇の中で熱い抱擁を交わした。ある夜、エジプト兵の服を奪ったクリディオは宮殿に忍び、旧友アントニオに会ったが、独裁者の国ローマへは帰らぬ、という言葉にクリディオは説得を断念した。その夜クリディオはヒモプチオンに襲われたが、宿で知り合ったゴルタセに救われた。アウグストとの戦いを不可避であると悟ったアントニオも、同盟軍と東奔西走した。最後の夜、ベレニーチェと別れを惜しんだクリディオは彼女のあとをつけた。ベレニーチェの正体は女王クレオパトラだった。クリディオは捕えられ、海中へ投げ込まれた。ゴルタセに救われた彼は、アウグストの軍隊にはせ参じた。エジプトの野に両軍は相対した。同盟軍の裏切りでエジプト軍は敗北した。クレオパトラのアントニオ助命をクリディオはきかなかった。絶望した女王は、すでに自ら命を絶ったアントニオのあとを追った。エジプトはローマの支配するところとなり、アウグストは皇帝になった。しかし、クリディオは、イラスの安宿で知ったマリアンネとともに、皇帝と戦いのない国を求めて旅立った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ビットリオ・コッタファービ
- 脚本
- エンニオ・デ・コンチーニ
- 撮影
- マリオ・パチェコ
- 美術
- Antonio Simont
- 音楽
- レンツォ・ロッセリーニ