カチューシャ物語
劇場公開日:1960年3月5日
解説
トルストイの『復活』を映画化したロルフ・ハンゼン監督作品。脚色は「ロミオとジュリエット(1954)」を監督したイタリア映画界のレナート・カステラーニ。撮影はフランツ・ワイマイヤー。音楽を担当したのはマルク・ロタール。出演するのは「わたしの可愛い人」のホルスト・ブッフホルツ、ミリアム・ブリュ、エディット・ミル、ロベルト・フライターク、ルート・ニーハウス等。日本では「白鳥の湖」の併映として短縮版が公開された。オリジナルは106分。
1958年製作/90分/西ドイツ・イタリア・フランス合作
原題または英題:Anferstehuug
配給:NCC
劇場公開日:1960年3月5日
ストーリー
ネフリュードフ侯爵(ホルスト・ブッフホルツ)は連隊の演習に参加する途中、叔母マリアの家で、幼ななじみのエカテリーナ(ミリアム・ブリュ)と情熱のおもむくままに一夜をともにした。彼女は孤児で、叔母の養女となっている乙女だった。またの名をカチューシャと呼ばれる彼女との一夜は、彼にとってはほんの出来ごころにすぎなかった。彼から送られた百ルーブルの金を手にしたカチューシャは、ネフリュードフの本心を知った。身ごもった彼女は、子を死産すると同時に、叔母の家を出て売春婦にまで転落した。ある晩、一人の客とホテルに泊った彼女は、翌朝死体となった客を発見した。宿の主人と女中が睡眠薬だといって、さわぐ客のためにカチューシャに渡した薬が、彼の命をうばったのである。所持金をとりあげるための企みだったのだ。やがて裁判が開かれた。陪審員としてその法廷に連なったネフリュードフは、まったく変ってしまったカチューシャの姿を見ておどろいた。彼は弁護に力をつくした。しかし、カチューシャは十二年の強制労働を言い渡されて、シベリア流刑に処された。将来を誓った美しい許婚者ミッシーと会うのもやめて、ネフリュードフは罪のつぐないに全力をつくした。シベリアでカチューシャは政治犯のグループと同じ収容所に入れられた。政治犯の一人シモンソンがカチューシャに結婚を申しこんだ。早春のある日、ネフリュードフがシベリアの流刑地にやってきた。彼はカチューシャのそばで、シベリアに生涯を送ることを心にきめていた。だが、カチューシャは、これ以上の犠牲をネフリュードフに強いることはできなかった。ネフリュードフの真剣なまなざしを後にのこして、カチューシャを乗せた船は、さらに奥地の流刑地に向って出発していった。ネフリュードフは夢見るような瞳で岸辺にたたずんでいた。彼の心には、新しい人生への決意が生れてくるのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ロルフ・ハンゼン
- 脚色
- レナート・カステラーニ
- 撮影
- フランツ・ワイマイヤー
- 音楽
- マルク・ロタール