壮烈第六軍!最後の戦線
劇場公開日:1959年10月3日
解説
第二次大戦のスターリングラード攻防戦の映画化。脚本は第六軍に従軍したハインツ・シュレーターが書き、「鮫と小魚」のフランク・ヴィスバールが監督し、撮影はヘルムート・アシュレイが担当。出演はヨアヒム・ハンセン、「鮫と小魚」のヴォルフガンク・プライス、ヴィルヘルム・ボルヘルト、ホルスト・フランク、ペーター・カルステン、アレキサンダー・ケルスト、アルミン・ダーレン、ソーニャ・ツィーマン等。一九五九年度ベルリン映画祭ドイツ部門で金賞、最優秀監督賞、撮影賞、技術賞を受けた。
1959年製作/西ドイツ
原題または英題:Inferno
配給:NCC
劇場公開日:1959年10月3日
ストーリー
一九四二年、独軍は対ソ戦線で第二年目を迎え、首都モスクワ攻略の春季攻勢を開始した。一方、ソ連軍はスターリングラードの防衛部隊を増強して対抗した。八月三一日、独軍は廃墟と化した市内に突入した。が、ソ連軍の果敢な反撃は、激烈な市街戦を展開した。厳冬をひかえ独陸軍参謀総長ハルダー大将は、ヒットラーに戦術上スターリングラード撤退を進言した。が、ヒトラーは拒否し、パウルス中将指揮下の第六軍団二二個師に進撃を命じた。ビッセ中尉(ヨアヒム・ハンセン)は、第五一兵団直属のルーマニア軍付連絡将校に赴任した。彼はそこでルーマニア軍付独陸軍顧問のリンクマン少佐(ヴォルフガンク・プライス)を知った。彼は狂信的なヒトラー崇拝者で、卑怯者だった。ある日、ソ連軍が翌朝六時を期して総攻撃を開始するという無電を傍受した。味方には援軍もなく、負け戦は必至だった。六時--砲火は一斉に独軍頭上にふりかかり、破竹の戦車隊攻撃をうけた。ルーマニア軍司令部は、ビッセ中尉の活躍で救われた。各地で兵砧線は切断され、独軍は孤立した。スターリングラードにしりぞいた二六万の生命はヒトラーが第六軍団に対し、ソ連軍包囲線突破を命ずる以外に助かる見込みはなかった。第五一兵団長ザイドリッツ将軍は独断で強行しようとしたが、パウルスに反対されてだめだった。二百台の独戦車隊は救援にスターリングラードまで四八キロの地点に達したが燃料がつきた。幕僚はパウルスに包囲を突破して、戦車隊に合流するように進言した。彼はヒトラーの命令をタテに反対した。包囲線突破の機会は二度とこなかった。雪が降りはじめた。第五一兵団は全滅した。ビッセ中尉は先に転任したリンクマンのいるスターリングラード砲兵隊に移った。リンクマンは地下壕から一歩も外に出ようとしなかった。市街戦は日毎に激しくなり、酷寒と食糧の不足は戦意を低下させた。ヒトラーは最後までスターリングラード死守を命じた。リンクマンは敵前逃亡を企て、味方に射殺された。ついに一発の弾丸も一片のパンもなくなった。ヒトラーの無暴さに激怒したパウルスは、遂に降服を決意した、純白の雪原に捕虜の長い列がつづいた。ビッセはルーマニア軍司令官を乗せた橇をひいた。一行の後には点々と独軍将兵の屍が横たわっていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- フランク・ウィスパー
- 脚本
- ハインツ・シュレーター
- 撮影
- ヘルムート・アシュレイ
- 美術
- Walter Haag
- 音楽
- ヘルバート・ヴィント