危険な遊び(1958)

劇場公開日:

解説

戦前版の「罪と罰(1935)」を作ったピエール・シュナール監督が、「河は呼んでる」のパスカル・オードレと「宿命」のジャン・セルヴェを主演に作った、パリ貧民街を舞台とするティーン・エイジャー犯罪映画。ルネ・マッソンの小説「シシリー王街の少年たち」を、シュナール自身と「乙女の館」のポール・アンドレオータが共同で脚色、台詞はアンドレオタ。撮影を「野性の誘惑」のマルセル・グリニョンが担当、音楽はポール・ミスラキ。他の出演者はルイ・セニエ、ジェルメーヌ・モンテロ、ジュディット・マーグル、サミー・フレー、ジミー・ウルバン、ジョエル・フラトー、フランソワ・シモン・ベッシー、サミー・フレー等。

1958年製作/94分/フランス
原題:Les Jeux Dangereux
配給:東和
劇場公開日:1959年7月24日

ストーリー

パリの貧民街、ここに住む人たちは強い連帯感を持っている。少年たちはグループを作り、秘密の洞穴を持っていた。首領株のジュリアン(ジョエル・フラトー)は十八歳、妹のフルール(パスカル・オードレ)はグループの紅一点。彼女は兄をこの世の中で最も愛していた。ジュリアンは恋人と一緒に暮すため盗みを働いた。ところが失敗して警官を傷つけてしまった。フルールは兄の弁護士を頼むため金策に奔走した。その頃、貧民街にアランという金持の少年が、バイオリンを習いに通っていた。フルールは彼に目をつけた。仲間と一緒にアランを誘拐して洞穴に監禁した。アランに手紙をかかせて、父親のゴメス氏に身代金を要求した。ゴメス氏は友人で落ちぶれた私立探偵のフルニエ(ジャン・セルヴェ)を訪ねた。フルニエは気乗りしなかったが、しぶしぶ引受けることにした。フルールと仲間たちは、貧民街に捜索に来たフルニエの妨害をした。アランはフルールを傷つけて逃走しようとしたが失敗した。怒った仲間はゴメス氏に最後の要求を発した。フルールは百万フランを手に入れた。グループの年長者はアランを殺そうといった。フルールは反対した。それはアランが好きになっていたから。アランは家に帰すと、外に連れ出された。思いあまったフルールは、フルニエにアランの危急を告げた。アランは河に投げこまれる寸前に助けられ、無事に邸へ戻った。ゴメス氏はフルール一味を警察に突き出せとフルニエにいった。しかし、母親はアランの気持を察して、以後彼女と二度と会わぬなら警察に訴えないといった。アランは辛かった。だがフルールを愛するために承諾した。許されたフルールは、窓から見下すアランを、ふりかえり見ながら邸を出ていった。浮浪児に同情したフルニエは、そのうちの一人をひきとることにした。

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