ソ連人工衛星 宇宙征服

劇場公開日:

解説

一九五七年十月四日、第一号人工衛星(スプートニク)打上げに成功したソヴィエトが、実写やアニメーション、特殊技術などを綜合して作った宇宙科学映画。監督はP・クルシャンツェフ。B・リャプノフとV・ソロヴィヨフの台本によって、M・ガリペールが撮影した。音楽はS・シャチーリャン、美術をV・セヘルコフが受けもっている。顧間として天文学、ロケット等の分野に多くの専門家が協力している。

1957年製作/52分/ソ連
原題または英題:Doroga k zvezdam / The Road for Stars
配給:新東宝
劇場公開日:1958年8月3日

ストーリー

ソヴィエトは、長い宇宙旅行とロケットに関する研究の歴史をもっている。六十四年にわたる技術の研究が、今度のスプートニクの成功を生み出したのだ。宇宙旅行の研究家カ・エ・ツィオルコフスキーが、限りない夢と希望をもっていどんだロケットの設計にはじまり、一九三三年の最初のロケット実験、燃料の研究、耐熱物質の研究、二段式ロケットの想定等から説きおこして、画面は未来の宇宙旅行にまで発展していく。やがて科学者たちの能力を結集した宇宙船がとびたち、人類がはじめて月の世界におりたつ日がやってこよう。「今日不可能なことも、明日は必ずや可能となろう--ツィオルコフスキー」

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0当時の宇宙への憧れと未来感を、カラー撮影と特撮で再現した良品。

2020年7月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

1957年に製作されたソ連のプロパガンダ映画だと思って鑑賞したが、これが中々の宇宙憧れ特撮作品で予想以上に楽しめました。 夕日に照らさせる丘の上に、複数の宇宙ロケットが並ぶイラスト風の画像からワクワクさせらて、前半はロケット発明の歴史と宇宙探検の父的な人物のコンスタンチン・ツィオルコフスキーの生い立ちを実録風ドラマで進むのだが、科学的な説明などの難しい部分も、アニメーションや美術的な映像表現をまじえて見せてくれるので、観客にもロケットの原理が何となく理解出来る。 後半は、ツィオルコフスキーが夢見た近未来を舞台に有人ロケットが発射され三人の宇宙飛行士が、宇宙を目指す。そして宇宙開発を進めて行く人類の描写。 個人的には、有人ロケットの巨大な美術セットが素晴らしく、ロケットを支えるクレーン式発射台の大小並ぶ車輪の巨大なリアル感と三段伸縮式ギミックなども面白い。 無重力の宇宙船内の描写や地球の影から出る太陽映像や回転式居住区のある宇宙ステーションの生活場面などの、後の映画などでも、お馴染みの映像が当時としては、先駆的だと思う。 「2001年宇宙の旅」より10年も前に描かれた宇宙旅行像は、結構ソックリでソ連の先進性に舌を巻く。 もちろん考証不足なツッコミどころも多々ありますが、49分ぐらいの上映時間に素晴らしいカラー撮影と美術セットで、子供の頃に宇宙開発を夢見た世代には、必見な作品。 当時の新東宝による日本公開版は52分の上映時間と日本語のナレーション解説が、あるらしいので、そちらも機会があれば鑑賞したい。 そういえば今作の監督が撮った、ソ連SF映画「火を噴く惑星」が、アメリカの大蔵貢みたいな、巨匠?ロジャー・コーマンが買い付けて公開していたな。

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