怪僧ラスプーチン(1954)

解説

王政ロシア末期に怪僧の名を轟かしたラスプーチン(1871-1916)の生涯を描くイーストマンカラー色彩一九五四年映画。製作者出のジョルジュ・コンブレが、彼とクロード・ボワソル共作の脚本から監督した。撮影は「浮気は巴里で」のピエール・プティ、音楽は「禁断の木の実」のポール・デュラン。出演者は「青ひげ」のピエール・ブラッスール、「われら女性」のイザ・ミランダ、ロベール・ビュルニエ、「アンリエットの巴里祭」のミシュリーヌ・フランセイ、「愛すべき御婦人たち」のルネ・フォール、ミリー・ヴィターレ、ジャック・ベルティエ、クロード・レーデュ、ドニーズ・グレーなど。

1954年製作/フランス
原題または英題:Raspoutine

ストーリー

西部シベリアの一寒村に車大工の息子として生れたグレゴリー・イフィモヴィッチ(ピエール・ブラッスール)は神がかり的な言動をして評判となり、ラスプウチンとあだ名されていた。その言動がある僧侶の眼にとまって彼は修道院に迎えられた。ながい遍歴と巡礼の後、シベリアの故郷に帰った彼は、肉体が徹底的に享楽することによって魂が浄められるという新宗派を唱え、妙齢の女性を集めて淫楽の生活を公然とはじめた。そのころ宮廷では世継の皇太子アレクシスが重病で明日をも知れぬ容態だったが、ラスプウチンは、彼を救世主と信じるイグナチェフ公爵夫人の手引きで宮廷に入り、皇太子の病を忽ち快癒させた。以来、彼は聖者として皇帝の信任を得、宮廷内における勢力も大きくなった。そして汚職贈賄が公然と行われ宮廷は腐敗の極に達した。スタメロフ内相を罷免したラスプウチンは新大臣に任命したグリエフに代償として彼の許婚者の身体を要求し、決闘を迫られて彼を倒した。身辺に危険を感じたラスプウチンは一旦故郷へ帰り、再び淫乱の生活をはじめた。第一次大戦が勃発したころ、皇太子の病が再び悪化し、急拠首都にかけつけたラスプウチンの祈祷でまたしても一命をとりとめた。かくして怪僧ラスプウチンは宮廷に絶大の権力を持つにいたり、社会の狂信と混乱腐敗は絶頂に達した。ロシア帝国をラスプウチンの魔手から救うべく心ある人々は機会を狙っていた。そしてラスプウチンの刺客としてウラジミルとユリの二人の貴族出の士官がえらばれた。ユリ邸に招待されたラスプウチンは居並ぶ人が片唾を呑むなかに平然と毒入菓子を喰い、毒酒をあおった。だが、さすがの毒も強靭な彼の体には少しも利目がないのだった。狼狽したユリはピストルで彼を射殺し、袋に人れて河中に投げこんだ。

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