禁じられたデカメロン

劇場公開日:

解説

一三四八年、イタリア全土に猛威をふるったペストの難を逃れ、フィレェンツェ近郊の別荘にこもった十人の男女が退屈しのぎに、大胆強烈なセックス体験を物語る。という世界艶笑文学の代表古典から、六話のエピソードを映画化。製作はジノ・モルディーニ、監督・脚本はフランコ・マルティネリ、撮影はレモ・グリサンティ、音楽はロベルト・プレガディオが各々担当。出演はエンリコ・ラッツアレスキ、クリスタ・ネル、レティツィア・レ・イル、カティア・キアーニ、レオノラ・ヴィバルディ、ブルナ・ベアニ、マリサ・ロンゴなど。

1973年製作/イタリア
原題または英題:Decameron Prohibited
配給:東京第一フィルム
劇場公開日:1973年5月19日

ストーリー

疫病の町をのがれ、馬車をかって郊外のとある屋敷へ現われた男たち女たち、ひまにまかせて色の道のあれやこれやを語りだす…… 美人後家の入浴を盗み見たり、女性のスカートをまくり上げたりするどエッチな司祭がいた。この司祭、教会の権威をカサに、ご執心の後家を脅迫して直接交渉に及ぶ始末。困り果てた彼女は二人の兄に相談。翌日、迫る司祭に、首を縦にふった。その夜、司祭はいそいそやってきた。が、事が終って顔を見れば、ふた目とみられる醜女、身代りを買ってでた男ひでりのウバ桜。そこに兄二人に連れられた主教さまがやってきた。「この恥知らずめ!神罰を恐れぬか」 伯爵は腰をぬかした。ジプシー占いの女が、今日以後、最初に奥方と寝る男は急死すると予言したからである。となると、解決策は一つしかない。身代りを探すことだ。そこに折しも来客……おっちょこちょいで評判の医者である。しかし、その一物の大きさは女たちの間で大評判だった。伯爵が奥方に因果をふくめたため、二人はさっそくベッドへ。伯爵は鍵穴からコトのなり行きを見まもることにした。一回、二回、三回、その激しさに、伯爵は嫉妬することも忘れて見惚れた。やがて医者の身体が動かなくなった。ジプシー女の占いは当ったと伯爵は安心した。しかし、それから間もなく、死んだ筈の医者が、ジプシー女に金を渡しながらいった。「今度は郡主の女房をいただこうぜ」。 「あなたにさし上げたい物があります」、美しい少女にそういわれ、修道士はポーッとなった。若い身そらの禁欲生活、これ以上のお布施はない。修道院の自分の部屋で、初めて知ったエクスタシーに大声をあげた……それが院長の耳に入ったのだ。「バチあたりめ!」。部屋から修道士を追いだした院長は少女に向って「二度と男をお前の上にのせぬと誓うか?」。「ハイ、誓います」。すると院長、自身の身体をベッドへ投げだし、「わしの上に乗ればよい」 これはあるノミの夫婦の物語。身長とボリュームがちがうように、彼らの精力がダンチだったところから、この悲喜劇が生まれた。今日も、細君の色っぽい流し眼を背に、いそいそと外出する亭主。降りだす雨に、ふと外を見た彼女の眼に、すっ裸でふるえている逞しい男の姿が入った。強盗に襲われたという男に献身的にサービスした結果、男と女は当然の成り行きへ。と、その最中、亭主が帰ってきたから大変だ。逃げる男を追う亭主。が、再び姿を現わしたのは男の方だった。喜んだのは細君で、変態男と間違えられ警官にしょっぴかれてきた亭主を、「知らない男よ」と追いだす始末。そして男に挑みかかった。恐ろしきは、女の執念。

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