妖精の詩

劇場公開日:

解説

羽仁進監督の、のびやかで平安な子供世界に対する一貫した作家テーマの結晶ともいえる作品であり、この作品においては脚本なしで、厖大な長さのフィルムから一種の詩的な世界を編み上げた異色作である。製作はジャック・ブリュネ、撮影はマリオ・マシーニ、音楽はジャン・ギィユーと荒木一郎、編集は羽仁進が各々担当。出演は羽仁監督の愛嬢未央ちゃん、「禁じられた遊び」の名子役だったブリジット・フォッセー、ラファエル・カスート、アルフレッド・マルファッティなど。

1971年製作/日本・フランス合作
原題:Mio
配給:日本ヘラルド
劇場公開日:1971年3月18日

ストーリー

冷たい冬の風に運ばれるように女の子“ミオ”(羽仁未央)は島にやってきた。どこか遠い東洋の国から来たらしく島の言葉はわからなかった。孤児院に収容された彼女は、しだいに環境にとけこみ、言葉をおぼえ、やがて、ラファエル(R・コステ)という可愛い男の子と出合って幼ない愛が芽ばえていった。そのラファエルの父親マルファッティは、ミオがこの島へきて会った、二人目の男アントニオが警官に不当逮捕されたことに抗議運動をつづけていた。でもそんなことにミオとラファエルの関心はなかった。時折よぎる、戦争の黒い影がミオの心をうつろにしたが、楽しいカーニバルが、ミオを島に来てから最高にたのしい時をもたせた。しかしカーニバルの夜、保母のブリジット(B・フォッセイ)がマルファッティと協力してアントニオを脱獄させたことから二人は島を追われることになった。そしてミオとラファエルとの別れが訪れた。ミオはとても淋しかったが泣きはしなかった。ミオにとって別れの悲しみはもう随分数多く味わってきたものだったから。ミオはラファエルに別れの言葉を咳き海辺をどんどん歩いていった。

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