ガラスの部屋

劇場公開日:

解説

友情と愛を同時に得ようとした若者の行為を通じ、ひたむきに暖かい絆を求めようとする青春のゆらめきを描いた作品。製作はジュリアーナ・スカピーノ、監督・脚本はイタリアのネオ・レジスタの一人セルジオ・カポーニャ、撮影はアントニオ・ピアザがそれぞれ担当。出演は「情無用のジャンゴ」のレイモンド・ラヴロック、新人ミタ・メディチ、「さすらいの青春」のアラン・ヌーリー、他にディノ・メレ、コゼッタ・グレコなど。

1969年製作/イタリア
原題:Plagio
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1970年6月13日

ストーリー

学園闘争で流血の日々が続くボローニァ大学。試験勉強のためリミニに帰ろうとしていた医学生マッシモ(A・ヌーリー)は、恋人アンジェラ(M・メディチ)としばしの別れをおしむため、友人ロベルト(D・メレ)から車を借りた。このドライブの途中で、二人はファシストの学生に暴行されていた若者、グイド(R・ラブロック)を助けた。そして、この青年の純粋さに、二人は次第に魅かれていった。グイドの実家は金持ちであったが、彼は両親を交通事故で失ない、妹があるだけだった。翌日、マッシモはグイドのアパートにアンジェラを残しリミニに帰って行った。その日の午後、グイドはマッシモに聞いたエデーラ(C・グレコ)という、中年女のアパートを訪ねた。女を抱いたことのないこの若者が、自分に何を求めているかを知ったエデーラは、やさしくグイドを抱擁したが、グイドの肉体はさめていた。アパートにもどると、アンジェラが一人編物をしていたが、孤独と愛の飢えに泣くグイドに、やがてアンジェラは唇をかさねて行った。二週間後、試験の終ったマッシモがもどってきた。愛と友情を両立させ、三人の暖かい関係を保とうとするグイドは、故意にアンジェラとベッドで抱き合っている光景を、マッシモに目撃させるのだった。しかし、グイドのこの行動を理解できないマッシモは、去って行った。数日後、グイドとアンジェラは彼の家を訪ね、和解を求めた。三人の関係を純粋に求めるグイドの言葉に、マッシモもいつしか心をやわらげていた。そして三人は車でグイドの実家に向った。驚くほど豪華なその邸宅で三人だけの夜が来た。グイドの母のベッドで抱きあうマッシモとアンジェラ。その裸身にグイドの手がいつしかのばされていた。それは異常だが、なぜか美しい姿であった。夜は静かに明けた。タバコを買いに出かけたグイドは自動車事故で、再び二人の前にはもどらなかった。グイドの父と母の死をよんだ自動車のタイヤの傷、母に父の愛を独占された幼年時代のグイド、グイドの自動車事故死……そこには、なにか暗いものがうかがわれた。グイドの死とともに、マッシモとアンジェラの関係も終りを告げた。グイドの葬式の日、白い花を捧げるアンジェラに、グイドの妹の鋭い瞳が向けられていた。それを逃れるように、アンジェラはマッシモに目もくれず、紅葉に色づいた並木道をひとり歩いていった。

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