シシリアン(1969)
劇場公開日:1970年4月4日
解説
シシリーの秘密結社マフィアの犯罪をめぐって展開されるフィルム・ノワール(暗黒映画)。「ダンケルク」のジャック・ストラウスが製作を担当。監督は「サン・セバスチャンの攻防」のアンリ・ヴェルヌイユ。オーギュスト・ル・ブルトンの原作を、「オー!」のジョゼ・ジョヴァンニ、ピエール・ペルグリ、アンリ・ヴェルヌイユが共同脚色。撮影は「大反撃」のアンリ・ドカエ、音楽は、「ウエスタン」のエンニオ・モリコーネが担当。出演は「パリ大捜査網」のジャン・ギャバン、「ジェフ」のアラン・ドロン、「ベラクルスの男」のリノ・ヴァンチュラ、「天使のいたずら」のイリーナ・デミック、「オー!」のシドニー・チャップリン、「雨あがりの天使」のカレン・ブランゲルノン、アメディオ・ナザーリ、マルク・ポレル、イブ・ルフェーブルなど。
1969年製作/フランス
原題または英題:Le Clan des Siciliens
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:1970年4月4日
ストーリー
パリに住むマフィアの顔役、ビットリオ・マナレーゼ(G・ギャバン)は五月の蝿と異名をとる、殺し屋サーテット(A・ドロン)を、獄中から救出する計画を立てていた。彼から送られた莫大な値打のスタンプ・コレクションに対する返礼であった。裁判所で、ビットリオの二人の息子、アルド(Y・ルフェーブル)とセルジオ(M・ポレル)に電気ドリルを渡されたサーテットは、護送車で送られる途中、アルドの妻ジャンヌ(I・デミック)の助けをかりて逃走に成功。一年ほど前にル・ゴフ警部(L・バンチュラ)に逮捕されて以来、久しぶりに自由を得たのだった。その後しばらくの間、ビットリオにかくまわれていたサーテットはジャンヌと人知れず愛し合うようになっていた。やがてサーテットは、獄中仲間から手に入れた宝石強奪の仕事の話を、ビットリオにもちかけた。心動かされた彼は、ニューヨークのマフィアのボスであるトニー・ニコシア(A・ナザリ)に助力をあおぐことにした。その結果、パリからニューヨークへ宝石を運ぶ飛行機を襲うことに決められた。当日、ビットリオ、アルド、セルジオ、それにサーテットが問題の飛行機に乗込み、何億ドルという宝石を略奪してしまった。仕事が終った後、南米へずらかる予定のサーテツトをニューヨークに残し、ビットリオたちはパリへ戻って来た。そこでシシリーへ帰る支度をしていたビットリオは、孫の口から、サーテットとジャンヌに浮気の事実があったことを聞いた。シシリー人の面目を汚された彼は、ジャンヌともども殺そうと思いサーテットを呼び戻すべく、トニーに工作を依頼した。しかしジャンヌの密告をうけた妹から自分が狙われているということを聞いたサーテットは、アルドとセルジオが待機するオルリーには、降り立たなかった。逆にこの二人は、サーテットの妹にかけられたジャンヌの電話を傍受していたル・ゴフ警部に逮捕されてしまった。このことをサーテットから聞いたビットリオは、パリ郊外で分前を払うとサーテットに伝え、ジャンヌをつれてその場に出かけた。殺気をはらんで向い合う両雄。最初に火を吹いたビットリオの銃が、サーテットの身変りになったジャンヌを血にそめた。そして、つづけざま、サーテットの身体に、弾丸がぶちこまれた。二人の死骸を残し、戻って来たビットリオ。しかし、そこには、ル・ゴフが顔役の帰りを待ち受けていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アンリ・ベルヌイユ
- 脚色
- アンリ・ベルヌイユ
- ジョゼ・ジョバンニ
- ピエール・ペルグリ
- 原作
- オーギュスト・ル・ブルトン
- 台詞
- ジョゼ・ジョバンニ
- 製作
- ジャック・ストラウス
- 撮影
- アンリ・ドカエ
- 音楽
- エンニオ・モリコーネ