エミタイ

劇場公開日:

解説

1940年代初期のフランスの支配下のセネガル南部、カザマンス地方を舞台に、米の取り立てに対するディオラ族の集団的抵抗を描く。製作はポーラン・スマヌー・ヴィエイラ、監督・脚本は黒人アフリカを代表する小説家でもあるウスマン・センべーヌ、撮影はジョルジュ・カリスタン、録音はエル・ハージ・ムボウ、編集はジルべール・キコワーヌ、製作マネージャーはイブラヒマ・バロが担当。出演はロべール・フォンテーヌ、ミシェル・ルノドー、ピエール・ブランシャール、アンドジョ・ディアウなど。ディオラ語版。

1971年製作/セネガル
原題:Emitai
配給:岩波ホール
劇場公開日:1984年3月31日

ストーリー

1941年から44年ごろのセネガル南部、カザマンス地方。この一帯に住むディオラ族は、フランス支配下の圧政に苦しんでいた。フランスは、その頃ドイツと戦っており、この地方を取りしきる、アルマン大佐(ピエール・ブランシャール)は、植民地の部隊に一定数の兵員を供給するために、あらゆる手段を用いて、強制的な徴兵を行なっていた。こうして、若い男をかり出された村には、女と年寄りだけが残された。ある日、アルマン大佐は至急、兵員用の米を送るようにという電報を受けとった。ディオラ族にとっては、米は神聖なものだった。首長や長老たちは、祭壇の前で会議をした。ある者は神々の加護を望み生贄を捧げたが、首長は軍隊を攻撃した。この戦いはディオラ族側に多くの犠牲者を出す結果に終った。首長も死んだ。そして、さらにアルマン大佐は、米を供出させるための人質として村中の女たちを集め、炎天下に坐らせた。一方、新たに首長を選ぶために全村民が参加しての前首長埋葬式の後、さらに長老による討論、生贄の儀式が行なわれるが、神からの返事は何もなかった。男たちは絶望した。長老の一人が、自分の妻たちの解放を要求しようと、米を連び出させた。しかし、軍は、他の米の隠し場所も教えろと要求し、それを拒んだ女たちは、坐ることを続けた。長い交渉の間に、フランスの主席がペタン元帥からドゴール将軍に代わった。女たちの頑固さに、隊長たちはいらだった。そんな時、女たちに水を届けに来ていた少年の一人が、兵隊に撃ち殺された。この事件をひきがねに、女たちが蜂起し、少年の死体を、死んだ首長の脇へ運んだ。一方、長老をはじめ、男たちは軍に屈服して、米を運び出すことにした。頭上に米の入った篭をのせて歩く男たちの一団の耳に女たちの訴えるような歌声が聞こえてきた。男たちは驚き立ち止まり、米の篭をおろして先へ進むことを拒んだ。やがて、男たちは一列に並ばされた。その直後、一斉射撃が行なわれた。

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