極北のナヌーク

劇場公開日:

解説

「ドキュメンタリー映画の父」と呼ばれるロバート・フラハティが1922年に手がけた、記録映画の原点とも言える一作。白い雪と氷に閉ざされたカナダ北部の極地に暮らす、主人公ナヌークを長とするイヌイットの一家が、厳しい自然と闘いながら、たくましく生きる姿を映し出した。日本では1924年に「極北の怪異」のタイトルで公開された。2018年9月、フラハティ監督のもうひとつの傑作「モアナ 南海の歓喜」のデジタルリマスター版公開にあわせ、本作のデジタルリマスター版も公開される。

1922年製作/78分/アメリカ
原題または英題:Nanook of the North
配給:グループ現代
劇場公開日:2018年9月15日

その他の公開日:1924年8月(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
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映画レビュー

3.0ドキュフィクション映画

2023年7月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ドキュメンタリー映画の先駆的作品と言われる1922年のロバート・フラハティ作品。 『極北の怪異』または『極北のナヌーク』という邦題で、書籍「死ぬまでに観たい映画1001本」には前者タイトル、今回観たDVDタイトルは後者であり78分バージョン。 本作を作り上げたロバート・ジョセフ・フラハティという人は、カナダ北部における極寒の地で生活するイヌイット族を映像で捉えて、生きるために苛酷な自然と闘う姿をフィルムに残した。 このフラハティは、探検家・人類学者だったそうだが、本作を観て「100年前は、こういう生活をしていた家族もいたのか…」とか「家族が生きるためにセイウチやアザラシなどを捕獲するが、解体シーンはモノクロ映像でもインパクトあり。動物愛護協会?とかが嫌悪するのではないか…」などと思うが、「実際に、以前はこうした生活だったのだろうから仕方ない」と思ったりした。 ただ、驚いたのは、このDVD付属の解説書を読んで、「この映画が撮影された当時にはフィクション映画とドキュメンタリー映画を明確に線引きする習慣が無かったため、この映画のナヌークという人物は本人が演じており妻を演じたのも本当の妻でない。また、演出的な意図とシナリオに沿って虚構の自分を演じるフィクション要素を多分に含んだドキュメンタリーである」という記載とともに【ドキュフィクション】として解説されている。 ……とは言うものの、実際に本作で描かれた厳しい自然は[本物]であり、不思議な感覚が残る映画であった。

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たいちぃ

5.0ニーラ、微笑みのひと

2018年10月7日
Androidアプリから投稿

単館上映の神保町まで行けないなぁ・・・ と思っていたら1000円でDVDを発見♪ 98年前の記録映画で、しかもBGMは有れど字幕つきの無声映画です。 昔、本田勝一の「極限の民族」を読んで以来"イヌイット“には興味があったので見られて良かった。 すごくおもしろかった。 DIY能力、イコール生存能力なんだよねー。 ナヌークの頼もしさは言うに及ばず、妻、微笑みのひとニーラは本当に美しかった。 それにしてもカヤックからぞろぞろ出てくるシーンの愉快なことったらない(笑) そういえば、 太古の昔、アジア人(モンゴロイド)はアリューシャン諸島を渡って北米→アンデス→南米大陸の南端まで移動したんだよね、いわゆるグレードジャーニー。 でもどうしてこの極寒の地に残るグループがいたのだろう。謎だ。 そしてその南米の人たちがいまは巡り巡って再びアジアの日本に出稼ぎに戻って来ているという不思議さ。 雪のイグルーに眠り、流氷にアザラシを追うナヌークの"アジア顔“に、僕の思いも大きく巡る映画鑑賞でした。

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きりん

3.0イヌイットの生活

2018年9月28日
スマートフォンから投稿

イヌイットにとって犬そりは生活になくてはならぬものだから共同生活者として支え合っているのかと思いきや,奴隷のような扱いであった。同じ人間を奴隷にしてきた人類だからイヌイットを悪くは言えない。しかも贅沢のための奴隷ではなく彼ら自身が極限の生活なのだから。それでも,動物虐待してまでそんな生活続けなくてもいいんじゃないの,って思っちゃう。この映画は100年前の記録だけど彼らの子孫は今も同じ生活してるはず。イヌイットと犬の記事をごく最近も読んだ。

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うつりしろ