ラモナ(1927)

解説

「復活(1927)」に続くエドウィン・カリュー氏が監督し、ドロレス・デル・リオ嬢が主演するこの2人のユナイテッド・アーティスツに於ける第2回作品である。甞てモンロー・ソルズバリー氏を主役として一度映画化せられたことのあるヘレン・ハント・ジャックスン女史の有名な小説を再び映画化したものであって、脚色も前作品「復活(1927)」と同じくフィニス・フォックス氏の手になっている。デル・リオ嬢の相手役は「ある男の一生」「身を焦がして」出演のワーナー・バクスター氏で、その他「青春の悦び」出演の ローランド・ドリュー氏やヴェラ・ルイス嬢マイケル・ヴィサロフ氏などが出演している。

1927年製作/アメリカ
原題または英題:Ramona

ストーリー

アメリカが未だスペイン人の支配の下にあった頃の物語である。そしてこの物語はその時のカリフォルニア州を背景として展げられる。ラモナは美しい娘であった。彼女は幼時から白人の家に養われて己れの素性を知らずに生い育って来たが、ふとした縁から知り合いとなったインディアンのアレッサンドロに心ひかれて、やがては互に想い想われる仲となった。が、このアレッサンドロにはその想い劣らずラモナを恋い慕う男に養家の息たるフェリベがいた。が、ラモナは彼れを兄の如くに慕うのみであった。そしてラモナの心がアレッサンドロに捧げられたと知った時にフェリベは涙を呑んで彼女のために祈った。アレッサンドロはラモナを伴って己が祖先の地へ去って行った。その自然に包まれた生活は2人に取っての天国であった。ラモナはアレッサンドロを熱愛した。それは彼女が母たるインディアンの血と、父たるスペイン人の熱とから送り出る燃ゆる情であった。そして父アレッサンドロにとってもラモナこそは彼の總てであった。朝、昼、夜の別ちなく彼はラモナを想っていたやがて2人の間には子供が生まれた。が、3年の月日の過ぎた後、晴天の霹靂の如くに禍がこの一家に降りかかった。子供は悲しくも死に、アレッサンドロも間もなく殺されてしまった。その後のラモナに続くのは悲嘆と哀惜の日のみであった。が、その彼女を今に変らぬ愛の心もって慰める男がいた。それはフェリペであった。その愛しみの力にラモナにやがては甦えりの日が明けることであろう。

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