悲情城市
劇場公開日 1990年4月28日
解説
台湾現代史において、最も激動的な1945年の日本敗戦から1949年の国民党政府の樹立までの4年間を、林家の長老・阿祿とその息子たちの姿を通して描いた一大叙事詩。台湾ニューウェーブの雄、ホウ・シャオシエン監督は本作でベネチア映画祭金獅子賞を受賞、その評価を決定づけた傑作。主演は香港のトップスター、トニー・レオン。彼は台湾語を話せないために聾唖という設定になったという逸話もある。
1989年製作/159分/台湾
原題:悲情城市 A City of Sadness
配給:フランス映画社
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2021年6月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
もうかなり昔の話ではあるが、台湾旅行した際に九份を訪ねた。その時使っていたガイドブックにこの映画のことが書かれていて、いつか観たいと思っていた。今回、K'sシネマさんでの上映は大人気で、チケットを取るのも大変だったが、日本の統治が終わり時代が移っていく台湾の姿が見れて感激だった。台湾の高齢者が日本語を話せる理由もよくわかった。
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監督の気合いと気負いを強く強く感じる力作、チャレンジング、監督の気合いを感じる。
正直人間関係、歴史的背景などがよくわからなくてすごい考えながら見た。特に登場人物、家族関係が人数多い上、家長のお爺さん(お父さん役)は他の映画でもいつもお父さんなので他の映画の人間関係まで思い出してしまい、話についていくのが大変だった。
中国語の知識、聞き分けごできないから、長兄と大陸やくざとの交渉は二段階通訳で、台湾語〜何語〜何語かもわからず。全部わからないと悔しい作品だがなかなか見る機会もない。しかし台湾現代史に斬り込みながらも日本統治、国民党統治に翻弄される台湾社会、家族の暮らしを悲しみと、愛情で描写する大作。反政府活動というのか民主化?啓蒙?活動に従事する若者たちがあのような弾圧され最後トニーレオン演じる聞こえない喋れない男まで再び逮捕されるとは。最初の煙草屋騒動からの暴動、台湾人の逮捕、獄中での仲間が銃殺など台湾の知られざる事実に戦慄を覚える。支配、植民、隷属化される島の悲しみ。いつまでも途絶えることない悲しみ。
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日本人には余り知られていない台湾の近代史がわかる。日本の敗戦によって解放されてから国民党政府が台北に成立するまでの激動期の台湾を舞台にしたある一家の物語(悲劇)である。中国、特に上海との抗争が中心となっていて、意外に反日的な物語とはなっていない。 台湾北部の町、九分(分という漢字ににんべんが付く)が舞台となっているが、九分の良さが出ていないのがちょっと残念。一部の台湾人にとって、戦争前よりも戦後のほうが大変だったんですね。
2014年8月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
昔観たはずですが、侯孝賢はそんなに良いのか?と当時思っていました。
九份が台湾のどの辺りなのかすら、当時は知らなかった。
世紀をまたいで二度目の鑑賞。
カタギではない大家族を中心に、1945年〜1949年までの変遷を、市井で生活している者の目線で捉えた大作。
WWⅡの終結、日本の撤退、国共内戦、ニ・ニ八事件から戒厳令に至るまで、翻弄されながらも幸せを求めんとする人間の姿は愛しい。
ドタバタはあるけれど、驚く程静かに、声高に主張することなく、その生きる様を描いていると思います。
四男文清が中途失聴者である(筆談のみ可能)、という設定が功を奏してます。
惜しむらくは、登場人物が多く、関係性を捉えるのに戸惑う人も少なくないのでは?ということ。私もその一人です。
それでもなお、今の台湾を知る上で、その底辺に流れているものを感じることのできる作品でした。
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