明眸罪あり

解説

「我等の海」「血と砂(1922)」等と同じくビセント・ブラスコ・イバニエス氏作の小説を映画化したもので、ドロシイ・ファーナム女史が脚色し、「紅百合」「血と砂(1922)」等と同じくフレッド・ニブロ氏が監督した。主役は「喜びなき街」出演のグレタ・ガルボ嬢が渡米後の第二回主演映画として演じ、相手役は「我等の海」「ひととせの命」等出演のアレトニオ・モレノ氏が勤め、「美しき婦人」出演のロイ・ダルシー氏、「ベルス(1926)」「アメリカ」出演のライオネル・バリモア氏を始め、マーク・マクダーモツト氏、ヴァージニア・ブラウン・フエーア嬢等が共演している。

1926年製作/アメリカ
原題または英題:The Temptress

ストーリー

パリの銀行家フオントノワが催した大燥の席上で、彼の情婦たるビアンカ侯爵の妻エレナは良人の親友でアルゼンチンからパリに来たばかりのロブレドに逢った。ロブレドは彼女の何者たるかを知らず彼女に恋した。彼女の身分を聞知するや彼は翻弄されたと思って怒った。銀行家はロブレドに嫉妬しエレナを責め且つ自分が破産したことを告げると彼女は彼と絶縁した。銀行家は絶望して自殺した。ビアンカ侯爵はパリ中の嘲笑の的となって居堪らないのでロブレドの誘うままにアルゼンチンに行くことにした。ロブレドはラ・ブレナの町近くに建設中の大堤防の工事完成に急いでいたが、ビアンカがエレナを伴って来たので大いに怒りエレナを迎えることを拒んだ。エレナは自分を本当に愛していてくれる無法者のデユロスに逢いに来たのだと言遁れた。その夜デユロスはエレナの部屋の窓下にセレナーデそ奏した。そしてロブレドに退去を命ぜられても去らなかった。そしてロブレドとアルゼンチン流に鞭で戦った。ロブレドは勝つには勝ったがほとんど目が見えぬ程負傷していた。エレナは彼を介抱せんとしたがロブレドは彼女を避けた。ロブレドが工事場へ行っている間にデユロスはエレナを連れ出さんとしたがビアンカが来たので驚き彼を射殺して逃れた。ロブレドの友達カンテラツクとビロヴアニはエレナのためにお祭り騒ぎを計画してロブレドには秘密で工こと作業員たちを語い準備をした。ロブレドは当日までその計画を知らなかったが当日になってカンテラックはエレナのことでビロヴアニを殺して逃走した。エレナはようやく自分が魔性のものではないかと惧れ何処ともなく逃れんとした。その時暴風雨が起こったのでロブレドは彼女を探しに出て探し当てた時大爆発が起こった。デユロスが堤防を爆破したのだった。町は大混乱に陥り人々は堤防修理に努力したが暴風雨の脅威は家々を不安に陥れたので、遂に人々は工事を打棄して逃れた。ロブレド1人危険な場所にいたが、彼をかねてから愛している乙女セリンダに救われた。その夜彼は禍悪の源たるエレナを殺す決心で彼女の首を締め始めたが、突然彼は彼女を抱いて接吻し愛を誓った。エレナはその夜ロブレドの寝息をうかがって逃げた。彼が純なるセリンダと結婚することを望んで。

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