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劇場公開日:

解説

アーネスト・K・ガンの原作をハロルド・メドフォードが脚色、「雨の中の兵隊」のラルフ・ネルソンが演出した事件推理ドラマ。撮影は「けっさくなエディ」のミルトン・クラスナー、音楽は「野のユリ」のジェリー・ゴールドスミスが担当した。出演は「うしろへ突撃!」のグレン・フォード、「フラワー・ドラム・ソング」のナンシー・クワン、「ニューヨークの休日」のロッド・テイラー、「遠い喇叭」のスザンヌ・プレシェット、「たくましき男たち」のジェーン・ラッセル、ウォリー・コックス、ドロシー・マローンなど。製作はアーロン・ローゼンバーグ。

1964年製作/アメリカ
原題:Fate is the Hunter
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:1964年10月27日

ストーリー

ジェット航空機の機長サベジ(ロッド・テイラー)は、エンジンの故障でスチュワーデスのマーサ(スザンヌ・プレシェット)を除く全乗員と49名の乗客を失うという大惨事をひき起こした。運航部長のサム(グレン・フォード)は事故が全く不可抗力のものであったかどうかを調査することになり、右エンジンの故障の原因はカモメが吸いこまれたから、という理由を発見したが、左エンジン故障の原因はわからなかった。またある新聞記者の話によると機長が出発前に酒を飲んだという。サムは入院中のマーサを訪ねてその件を問い合わせたが、そんなことはないといい、左右のエンジンの故障も警報装置によって確認されたという。サムはサベジの過去をあらいつくし、彼にはかつて恋したアメリカの映画女優(ジェーン・ラッセル)のあったこと、また、最近婚約を破棄した女のあることもつきとめたが、それらの中から犯罪につながる、つまり、サベジの故意の事故だと納得させるものは何もなかった。また、彼が飛行前に飲酒したという噂も、サベジの友人が否定の証言をした。また飛行仲間の彼はサベジの過去の飛行中の沈着さを証明する話をサムは聞いた。やがて査問会が開かれ、化学的実証をするために、事故の原因をつきつめようと、実際に飛行機を使用し、そのことによって意外な事実を発見した。マーサがコーヒーを持って行ったとき、右エンジンが故障したため、急に機体が傾き、パネルの上においたコーヒーがこぼれ、パネルの下の無電器と警報装置を結ぶ電線がショートしたため、左エンジンが故障という誤った警報を発したのであった。

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映画レビュー

4.0『ハドソン川の奇跡』の原点??

2016年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

知的

1964年の映画のレビューを2016年に書いているのは、本作がイーストウッドの『ハドソン川の奇跡』に驚くほど似ているから。向こうは実話でこちらはフィクションだが、どちらも空港から飛び立った旅客機に不測の事態が発生し、その責任を追及する物語なのだ。

『ハドソン…』と違って本作では多くの犠牲者が出る。だからこそ、整備のミスか機体の欠陥か、パイロットの人的問題なのかを早急に明らかにしないといけない。運航部長の主人公は、限られた時間の中で、死亡した機長に持ち上がった飲酒疑惑の真相を追うことになる。

機長とは元空軍の戦友同士である部長が、亡き友の知られざる一面を探っていく人間ドラマがメイン。特に印象に残ったのは、事故原因の可能性をひとつひとつ地道に潰していく地道な調査と、自分の持ち場でできる限りのことをする働く人々の姿。地味だがいぶし銀の良作として、もっと注目を浴びてもいいのではないだろうか。

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村山章
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