母の旅路(1965)

解説

アレクサンドル・ビッソンの戯曲をジーン・ホロウェイが脚色し、「ルート66」などTVの演出で知られるデイヴィッド・ローウェル・リッチが監督したメロドラマ。撮影はラッセル・メティ、音楽はフランク・スキナーが担当した。出演は「アカプルコの出来事」のラナ・ターナー、「セクシー・ダイナマイト」のジョン・フォーサイス、「リサの瞳のなかに」のキア・デュリア、テディ・クインほか。製作はロス・ハンター。

1965年製作/アメリカ
原題または英題:Madame X

ストーリー

ホリー(ラナ・ターナー)は名門の富豪クレイ・アンダーソン5世(ジョン・フォーサイス)と結婚し、一躍上流社会に足をふみ入れた。彼女が名家の女主人として家をきりまわすことができたのは、クレイを愛していたことと、彼の愛情に自信をもっていたからである。ただ彼女にとって不満なことは彼が政治に熱心すぎるという点だった。大邸宅には夫妻と、その間に生まれたクレイ6世(少年期テディ・クイン、成人後キア・デュリア)のほかに、クレイの老母エステルが住んでいた。エステルは最初からこの嫁が気に入らず、孫の教育にも何かと口を出すのだった。その頃ホリーは、あるパーティで夫の友人フィルに出会った。多忙で、少しもホリーのことをかまってくれない夫にひきかえ、フィルはホリーにやさしかった。そして2人の情事は行きつくところまでいってしまい、後悔の念にかられたホリーはフィルに別れてくれと迫った。言い争ううちにフィルは足をふみはずし階段から落ちて即死してしまった。このことから、2人の情事は露見し、ホリーはアンダーソン家を追われた。名前を変えて外国に渡り、今後夫や息子とは絶対に会わないという一札をとられて、ホリーはヨーロッパへ渡った。デンマーク、パリと放浪の旅を続け、身を持ちくずし、転落の一途をたどった。彼女の放浪はメキシコにまでおよび、そこで画家のダンと知り合った。ダンは彼女を連れ出してニューヨークに渡り、彼女の夫クレイを脅迫した。それと知ったホリーはダンを殺害した。殺人犯として法廷に現われた彼女は「マダム・X]と名のった。誰も彼女の正体を知らない。そして法廷弁護人として選ばれたのは成人した、アンダーソン6世であった。彼の弁護はマダムXを有利に導いたが、弁護士が自分の息子だと知ったホリーは心臓発作を起こし、急死してしまった。

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