二十七人の漂流者

劇場公開日:

解説

沈没した豪華船の乗客が1隻のボートにすがって漂流するという異色の海洋アクション・ドラマ。「紳士はブルーネット娘と結婚する」のリチャード・セイルが脚本を執筆、監督も兼ねた。撮影は「魔神スヴェンガリ」のウィルキー・クーパー、音楽はアーサー・ブリス。主演は「愛情物語」のタイロン・パワー、「黄金の賞品」のマイ・セッタリング、「ロケットパイロット」のロイド・ノーラン。タイロン・パワーとテッド・リッチモンド共同のコーパ・プロ第1回作。

1956年製作/アメリカ
原題:Seven Waves away
配給:コロムビア
劇場公開日:1957年4月22日

ストーリー

世界1周の豪華船が、深夜、大西洋上で機雷にふれて沈没した。1等航海士のアレック・ホームズ(タイロン・パワー)は愛し合っていた船の看護婦ジュリイ(マイ・セッタリング)を授け互いの無事を喜び合った。その2人の眼に1隻のボートがうつった。やっとたどりついたボートにはすでに沢山の人がしがみついて恐怖におののいていた。間もなくダロウ船長はホームズに指揮を託して息を引きとった。いがみ合う人達を前に、ホームズは自分の命令に従えない者はボートから降りるよう断固命令した。その矢先ふかが来襲し、点呼の結果27人に減った。しかしそれにしても多くの人間が乗り過ぎていた。ボートに乗っている人数を減らすべきだと云うフランク・ケリイ(ロイド・ノーラン)の言葉は、ホームズの心に恐ろしい考えを浮かばせた。全員ただ死を待つより、何人でもいいから強い者だけが残って、弱い者はボートから去るべきだ、ジュリイの愛を失ってもそうしなければならない。やがて嵐が迫って来た。彼はこの考えを実行しようと決意した。まず意識不明になったスペンサー夫人がボートから降ろされる。それに反対して自ら海中に身を投ずる者、ホームズに反抗して射殺される者など、1人減り、2人減りして15人が残った。今度は自分が殺されるのではないかという疑問が人々の心に持ち上がった頃、ギャングのファロンはホームズと口論の末、射殺されたが、ホームズも負傷を負った。嵐が静まり、負傷したホームズは、今度は自分が去るべきと考え、クラーリイに後事を託して海中に飛び込んだ。しかし彼はジュリイとクラーリイに助けられた。その時汽笛を鳴らして油槽船が近づいて来たのである。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

3.0むかしの洋上の「正義」の話をしよう

2020年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

中学時代に日曜洋画劇場で観て以来、何の情報も得られない作品です。当時は、実際の海難事件を扱った究極の選択について考え込み答えを出せず、それでタイトルは鮮明に覚えていました。10年前にマイケル・サンデルの正義についての講義をテレビで観る機会があって、その時まず思い浮かべた映画です。とても考えさせる作品ですが、映画としてはどうでしょうか。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Gustav

3.5哲学的面白さ

Kさん
2016年9月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

大学の倫理の授業でみた。
1952年公開の映画ということで、派手なエフェクトなどないですが、船員達の心理描写は見事でひきつけられます。何が正しいのか、自分がその場にいたらどうするか、どうなるのか。そんなことを考えてしまいます。
実際に起きた事件を元にしているということで、すごく入り込める作品です。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
K
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る