縄張り

劇場公開日:

解説

カウボーイにくらべて、あまり登場したことのないシープマンをヒーローに設定、型破りを狙った西部劇。「三人のあらくれ者」のジェームズ・エドワード・グラントの原作を彼とウィリアム・バワーズが脚色、「ふんだりけったり」のジョージ・マーシャルが監督した。撮影監督は「Z旗あげて」のロバート・ブロンナー、音楽はジェフ・アレクサンダー。「カウボーイ」についでグレン・フォードが今度はシープマンを演じ、ヒロインは「八十日間一周」のシャーリー・マクレーン。「誘拐」のレスリー・ニールセン「Z旗あげて」のミッキー・ショーネシー「機関車大追跡」のスリム・ピッケンス等が助演する。製作はエドモンド・グレインジャー。

1958年製作/アメリカ
原題または英題:The Sheepman
配給:MGM
劇場公開日:1958年5月3日

ストーリー

ある朝ジェイソン・スカート(グレン・フォード)という未知の男がパウダー渓谷の集落にやってきたが、彼は夕方までに町中の話題になってしまった。その態度があまりにも変わっていたからだ。美人のお転婆娘デル・ペイトン(シャーリー・マクレーン)が馬車を疾走させてつっかかってきた時、ぴたりとこれを静めてしまったし、のらくら者のミルト(E・ブッシュナン)が冗談をふっかけるのを巧みにやりかえし、おまけに暴れ者の早射ち自慢ジュンボー(ミッキー・ショーネシー)にいきなり喧嘩を売って、殴りつけた。ジュンボーは彼に決闘を申し込んだが、ポーカーのチップを空中で射ち抜いた彼の手なみを見て退散した。ところが驚いたことには、スイートは、カウボーイより一段低くみられている牧羊業者=シープマンだというのである。彼はある男に会うためにここに来たのだった。今はジョン・ベッドフォード(レスリー・ニールセン)と名のる、デルの許婚者で、彼とは昔からの敵同士であった。別名“大佐”と呼ばれている彼は、カウボーイの縄張りを荒さずにスイートに元の町にかえれと脅した。翌日はスイートの羊の群れがこの集落に到着する日だった。駅には大佐の子分たちが待機していた。彼等が一斉に拳銃をとろうとした時、スイートの計略によって彼等の足元で花火が次々と爆発し、その音で馬が棒立ちになっている間に、スイートは子分たちの武器を奪い、無事集落に入ることが出来た。なおもスイートを退散さすべく、大佐はいろいろと策をめぐらせたが、スイートはその大胆さと、機知で一向にへこたれなかった。デルさえもが彼に好意をもちはじめていた。業をにやした大佐は、3人の殺し屋を雇い入れた。彼等はスイートが集落に出てきた留守に、番人を殺して羊の群れを散々にけちらした。牧羊地にかえってそれを知ったスイートは、さすがに恐れて集落にひきかえしたが、無気味に静まりかえる町並みの中で、3人の殺し屋に囲まれた。しかし、彼の味方もいた。あれ以来彼に心服しているミルトと大佐に愛想をつかしたデルの2人である。彼等は背後から殺し屋2人の銃をとりあげた。結局首領1人を対手にして、スイートはこれを倒した。彼の怒りは爆発して、大佐ベッドフォードと遂に相対し、用心棒に囲まれた彼を見事うち果たして、積年の仇をはらした。集落を平和をとりもどした。ベッドフォードがいなくなれば、彼をいやがらせた牧羊を続ける必要はない。羊の群れは貨車で帰されて行く。ジュンボーが人の群れの中でかいがいしく働いている。指揮するスイートのそばには、デルが楽しそうにつきそっていた。

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