罪と罰(1935・アメリカ)
解説
フェードル・ドストイェフスキーの名作小説の映画化で、「西班牙狂想曲」「ブロンド・ヴィナス」のジョセフ・フォンスタンバーグが監督に当たったもの。脚色には「恋の一夜」「舗道」のS.K.ローレンがジョセフ・アンソニーと協力した。主演者は「暗殺者の家」「M」のピーター・ローレ、「ダイヤモンド・ジム」「羅馬太平記」のエドワード・アーノルドで、「古城の扉」のマリアン・マーシュ、「恋をしましょう(1933)」のタラ・ビレル、「台風」のパトリック・キャンベル夫人「深夜の星」のジーン・ロックハート、舞台から来たエリザベス・リスドン、「歌の翼」のロバート・アレン及びダグラス・ダンブリル等が助演している。撮影はルシエン・バラードの担当である。
1935年製作/アメリカ
原題または英題:Crime and Punishment
ストーリー
ラスコルニコフは天才的な大学卒業生だったが、奇矯生には入れられず貧困のどん底に落ちていた。彼は犯罪学の研究に専念していたが、下宿代に困り父親譲りの時計を入質にいった際、そこで薄幸の乙女ソーニヤと会い知った。彼の妹案とに亜は貧しきが故に無趣味で下等な役人根性の1官吏と結婚せねばならなくなった。妹想いのラスコルニコフは万里を排して子の不幸な結婚を破壊千とし、「完全犯罪を実行し得るものは我1人なり」との確信の下に、彼は質屋の老婆を惨殺した。金を奪う事は出来なかったが、本屋から原稿料を前借りして、彼は妹の不幸な婚約を解消させ、愛し合っているディミトリの手に委ねた。しかし、彼の冷静な理知に対して激しい良心の呵責が始まった。さらに探偵ボルフィリーに会うに及んで彼の信念はグラつき始めた。探偵は彼が犯人なる事を知りつつも証拠がないため、捕縛子得ずにいる。ラスコルニコフは探偵を軽蔑しつつも、良心の呵責に追いつめられる。彼は心の悶へ抑えがたく、ソーニヤの許に赴く。彼を愛するソーニヤはその呵責から逃れるには、すべてを告白して罪の償いをする事であると説いた。初めこれを拒み続けたラスコルニコフもついに心の悶えと、ソーニヤの愛に打ち負けて自首する。彼のシベリア流刑の日、ソーニヤも雄々しくも彼の後を影のように就いていった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジョセフ・フォン・スタンバーグ
- 脚色
- S・K・ローレン
- ジョセフ・アンソニー
- 原作
- フェードル・ドストイェフスキー
- 製作
- B・P・シュールバーグ
- 撮影
- ルシアン・バラード
- 音楽監督
- ステファン・グーソン