月蒼くして
劇場公開日:1954年2月
解説
「われら自身のもの」などのシナリオを書いている劇作家F・ヒュー・ハーバートの戯曲の映画化で、脚本もハーバート自身が受けもっている。製作と監督には「永遠のアンバー」のオットー・プレミンジャーがあたる。撮影は「恋は青空の下」のアーネスト・ラズロ、音楽はハーシェル・バーク・ギルバート。主演は「第17捕虜収容所」のウィリアム・ホールデン、「銀の靴」のデイヴィッド・ニーヴン、この映画でデビュした新人マギー・マクナマラで、トム・タリー、ドーン・アダムス、フォルチュニオ・ボナノヴァらが助演する。1953年作品。
1953年製作/アメリカ
原題または英題:The Moon Is Blue
配給:日本U・A=松竹
劇場公開日:1954年2月
ストーリー
エンパイア・ステート・ビルの展望台で、ドンとパティはパッタリ顔を合わせた。ドンは新進の建築家(ウィリアム・ホールデン)、パティは小柄でピチピチとした一寸ふめる娘(マギー・マクナマラ)。若い2人は忽ち意気投合し、ドンはパティを夕食に誘った。2人はドンの上衣のボタンが1つとれているので、まず、ドンのオフィスに針をさがしに行った。パティはそこで可愛い娘の写真を見つけた。だが針はない。2人はドンのアパートまで行くことになり、パティはドンに1つ条件を出した。恋愛大いに結構、但し情欲は抜きで。ドンは彼女が初心なのか、すれっからしなのか見当がつかない。ドンの部屋につくと、外は急にドシャ降りの雨。そこでパティの手料理で部屋で食事をすることにして、ドンは買物に出かけて行った。それと入れかわりに美人の来訪。パティにはすぐ写真の主シンシア(ドーン・アダムス)だとわかった。シンシアはすぐに去ってしまう。やがて訪れて来たのがドンの階上に住んでいるシンシアの親父デイヴィッド(デイヴィッド・ニーヴン)。彼は一眼パティを見て、気を惹かれ、部屋に入りこんだ。そこへドンが帰って来た。ドンは忽ち不機嫌な顔。ドンはシンシアと喧嘩わかれしたばかりだった。喧嘩の理由は簡単。ドンがシンシアの誘いに手を出さなかったのだ。3人の夕食がはじまった。デイヴィッドは誤ってパティのドレスにケチャップをとばしてしまい、彼女はドンの寝室で着替えをした。その様を、窓の外からシンシアがのぞき見して驚き、自分の部屋に帰って電話でドンに脅して呼び出しをかけた。ドンは仕方なしにパティとデイヴィッドをのこして出て行く。2人きりになると、デイヴィッドはいきなりパティに結婚を申込んだ。だがパティは全然うけつけない。話のはずみでパティがお金が欲しいといい出すと、デイヴィッドは惜し気もなく600ドルくれた。パティはお礼にデイヴィッドに濃厚なキッスをしていると、その現場にドンとシンシアが入ってきた。ドンは大むくれ。パティも悲しくなってドンの寝室で帰り支度をしていると、そこへ不意に見知らぬ男は入って来た。彼はマイケル・オニール、パティの親父である。彼はドンを打ち倒し、パティを連れて出て行った。夜も更けて、またパティはドンのところに戻って来た。そこはデイヴィッドもあらわれる。パティは誤解の種になった金をデイヴィッドにかえして立ち去った。翌日の昼すぎ、パティはまた展望台に来た。そこにはドンも同じ想いでいた。ドンは彼女に求婚した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- オットー・プレミンジャー
- 脚本
- F・ヒュー・ハーバート
- 原作
- F・ヒュー・ハーバート
- 製作
- オットー・プレミンジャー
- 撮影
- アーネスト・ラズロ
- 美術
- Nicolai Remisoff
- 音楽
- ハーシェル・バーク・ギルバート
- 編集
- オットー・ルドウィグ
受賞歴
第26回 アカデミー賞(1954年)
ノミネート
女優賞 | マギー・マクナマラ |
---|---|
編集賞 | オットー・ルドウィグ |
主題歌賞 |
第11回 ゴールデングローブ賞(1954年)
受賞
最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) | デビッド・ニーブン |
---|