第七天国(1937)

解説

「四つの恋愛」「みどりの園」のシモーヌ・シモンと「結婚設計図」「踊るアメリカ艦隊」のジェームズ・スチュアートが主演する映画で、オースティン・ストロング作の同名の舞台劇を「結婚設計図」のメルヴィルベイカーが脚色し、「勝鬨」「ラモナ(1936)」のヘンリー・キングが監督に当たり、「令嬢見学」「鉄人対巨人」のメリット・B・ガースタッドが撮影した。助演者は「銀盤の女王」のジーン・ハーショルト、「永遠の戦場」のグレゴリー・ラトフ、ヴィクター・キリアン及びジョン・クェーレン、「風雲児アドヴァース」のゲイル・ソンダーガード、「二国旗の下に」のJ・エドワード・プロムバーグ、「逢瀬いま一度」のマディー・クリスチャン等の面々である。

1937年製作/アメリカ
原題:Seventh Heaven

ストーリー

1914年パリ・モンマルトル近くの貧民窟でシコは溝泥浚いをしている若者であった。彼は常に「俺は偉い奴だ」と信じ、年来の希望は下水掃除から地上の道路掃除になることであった。彼は神様にその望みをかなえさせてもらうために金を投じてお祈りをしたが一向利き目がないところから、それ以来無神論者を以て自称した。彼の友人はスリの溝鼠とボロ自動車の運転手ブールで、ある夕方三人が路上で食事をしていると只ならぬ女の悲鳴が聞こえた。近くにある酒場の主婦ナナが、客の言うことを聞かぬ妹のディアンヌを鞭で殴っているのだ。シコはナナを追っ払って妹を助けてやった。そこえ神父シュヴィヨンが現れ、無神論者の彼を道路工夫に推薦してくれたのでシコの信念は大いにぐらついた。助けられたディアンヌは姉と一緒に警官に引き立てられようとした。その時シコは思わず彼女を自分の女房だと言ってしまったので、その場では逃れたけれど、警官が家へ調べに来るまで一緒に置かねばならなくなった。翌日きちんと片付けられた屋根裏の部屋を見てシコは驚いた。向こう側のゴバンも今日からは対等の道路掃除人として付き合ってくれるのだ。調べに来た警官はディアンヌがいるのを見て安心して帰った。だが彼女はもう約束通りこの家を出ていかねばならぬと思ったが、シコはいたければいても良いと言うのだった。そして二人の楽しい屋根裏住まいが始まった。七階にあるこの部屋にシコは第七天国と名付けた。そして買って来た衣装を着せるとディアンヌはまるで別人のように美しく見えるのだった、その時欧州を騒がした大戦にシコも招集され、シコは花嫁を残して出征した。毎日午前十一時に二人は遠い所で名を呼び合って心の中で面会していた。ディアンヌは看護婦となって彼の帰りを待っていた。歳月が流れ、休戦の日が来てもシコの姿は見えず、戦死の報さえ伝えられたがディアンヌはそれを信じなかった。彼女の信念の通りシコは帰って来た。彼の両目は光を見ることが出来なくなっていたが、ディアンヌは彼を抱きしめて言うのだった。「これから私があなたの眼になります」と。

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