小公子

解説

フランセス・ホジスン・バーネットの名作の映画化で、セルヅニック・インターナショナルの第1回作品である。脚色は「孤児ダビド物語」のヒュウ・ウォールポール、監督は「恋の歌」「泉」のジョン・クロムウェル、撮影は「野性の叫び(1935)」「踊るブロードウェイ」のチャールズ・ロシャーが、それぞれ当たった。主役は「孤児ダビド物語」「アンナ・カレニナ」のフレディー・バーソロミュウが勤め、返り咲きのドロレス・コステロ・バリモア、「十字軍」「クリスチナ女王」のC・オーブリー・スミス、「海賊ブラッド」のカイ・キッピー、「噫初恋」のミッキー・ルーニー、「米国の機密室」のヘンリー・スチヴンスン、米国劇界の名女優コンスタンス・コリア、ユーナ・オコナー、ジャッキー・サール、ヘレン・フリント等が助演している。

1936年製作/アメリカ
原題または英題:Little Lord Fauntleroy

ストーリー

セディーの父は英国の貴族ドリンコート伯爵の長男で、米国に渡って米国の娘と結婚した。2人の間にはセディーを恵まれニューヨークのブルックリンで平和な家庭を営んでいたが1880年彼は若い妻と幼い子供を残してこの世を去った。その後セディーは母親エロール夫人の慈愛を一身に受けて育てられていたが、それから2年後突然伯爵の弁護士が訪れて、老伯爵の世継であった三男が死んだため、セディーが伯爵家の世継となって英国へ呼ばれることになった旨を告げた。セディーは仲良しの林檎売りの婆さんや靴磨きのディック、八百屋のホップスなどに別れるのは嫌だった。彼らは大の貴族嫌いでしきりに引き止めるが、伯爵になると第一なくなったお父様がお喜びになり、沢山お金がはいって貧しい親友たちを助けることができると言い聞かされてようやく英国行きを納得したのだった。頑固な老伯爵は大の米国嫌いで米人と結婚したためセディーの父親を勘当した位だったから、セディーを世継とすることはやむを得ないが、母親は一歩も城へ入れぬつもりで、2人は別居することが条件になっていた。やさしいエロール夫人は子供の未来を思って伯爵の冷たい仕打ちを絶えセディーにはひた隠しに幼心に悪い印象を与えぬように心を使うのであった。そのためセディーには冷酷な老伯爵もお父様に良く似たやさしいお祖父様だった。こうした彼の無邪気な愛らしさはいつしか老伯爵の心を柔らげ暗い邸内は日の光に慈しまれたようによみがえった。邸内の使用人や領地の小作人の間で、セディーはブルックリンでのように人気者となった。しかしこのとき三男ベヴィスの妻であったと名乗る女が現れ2人の間にできた男の子こそ、正しい伯爵家の世継であると主張して乗り込んできた。今ではセディーをこの上もなく愛していた老伯爵は下司な女と子供に法律を楯に伯爵家を乗り取られる残念さを思ったとき、初めてセディーを育てたエロール夫人の貴い心づかいが判ってきた。彼はエロール夫人を訪れてこれまでの無情を深く詫びるのであった。一方ニューヨークで、セディーの友達は世継問題を新聞で見て、三男の妻と称する女が行方不明中の靴屋ディックの兄ベンの妻であり、男の子も2人の間にできた子供であることを発見し、セディーのためはるばる英国へ渡ってこの事実を暴露した。こうしてセディーは無事に小公子の地位を保ちエロール夫人もついに伯爵邸に迎えられた。

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