心の痛手

解説

「小牧師(1934)」「若草物語(1933)」のキャサリン・ヘップバーンと「キャラバン」のシャルル・ボワイエが主演する映画で、「ナガナ」のレスター・コーエンが書き下ろし、「小牧師(1934)」「若草物語(1933)」のサラ・Y・メイソンとヴィクター・ヒアメンが「銀鼠流線型」のアンソニー・ヴェイラーと協力して脚色し、ニューヨークシアター・ギルドのフィリップ・モイラーが監督に当たり、ロバート・デグラスが撮影した。助演者は「小牧師(1934)」「噫無情」のジョン・ビール、「泉」「猫と提琴」のジーン・ハーショルトを始め、サム・ハーディ、イネズ・コートニー、ヘレン・ミラード及びジーン・ハワード等である。

1935年製作/アメリカ
原題または英題:Break of Hearts

ストーリー

ニューヨークのシンフォニー・オーケストラ指揮者で女殺しとして名高いフランツ・ロベルチは、恩師のタルマの女弟子で作曲家志望の貧しい娘コンスタンス・デーンと恋に落ちて結婚し、社交界婦人たちを驚倒させた。2人はヨーロッパへ新婚旅行に赴き、ロンドン、パリ、ニース、ヴェニスと廻って夢のような幸福を味わった。ハネムーンの旅を終えてニューヨークに帰って来ると、ロベルチはオーケストラの練習に忙しかった。そして社交界の友ディディ・レノックス婦人と親交を温めた。コンスタンスを愛する事に変わりはないが社交界婦人たちに取り巻かれて、ちやほやされる事はロベルチの楽しみだった。それも彼は妻には気兼ねして内緒にしていた。それをコンスタンスは密かに彼女に思いを寄せているロベルチの親友ジョニー・ローレンスと連れ立ってリッツへ晩餐に行ったとき、ゆくりなくも知ったのである。そのときロベルチが嘘を吐いて誤魔化そうとしたので、コンスタンスは彼が以前の遊蕩児に戻ったと思い込み、その夜家出してしまった。そして彼女の行方は不明だった。半月程してロベルチは欧州から招待を受けて師のタルマを伴い演奏旅行に赴いた。コンスタンスは彼が出帆した後でそれと知り、深く失望した。彼女は夫は既に自分を忘れたのだと思った。そしてジョニーに誘われて、寂しさをまぎらすべく酒を飲みダンスに狂う、ひとかどの有閑マダムとなったのである。ロベルチは欧州旅行中もコンスタンスの事を思っていた。そして乞われて再びニューヨークへ帰り、新年の夕の慈善音楽会にオーケストラを指揮することとなる。その前夜の大晦日の晩、彼はコンスタンスとリッツの酒場で再会し、彼女が有閑マダムに転向した事を知って落胆した。彼は演奏の当夜は自棄酒に泥酔して指揮台に立ち演奏中に卒倒した。そして介抱しようとするコンスタンスを衆人監視の中で罵った。これが為彼女はついにリノへ赴きロベルチと離婚の手続きを済ました。ジョニーが彼女に結婚を申し込んだ時一応彼女は承知したが、タルマは彼女にロビルチを救ってくれと頼んだ。彼は新年の夜以来、暴飲に心身を衰弱して瀕死の有り様だった。その姿を見たときコンスタンスは自分が愛しているのはロベルチであること、ロベルチも彼女を深く愛していること、を悟った。彼女はジョニーの理解を求めてロベルチと復縁した。健康を取り戻したロベルチが指揮台に絶って再び喝采される身となったことは言うまでもなかろう。

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