地上(ここ)より永遠にのレビュー・感想・評価
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タイトルに託した意味が絶妙すぎる。
内容は、舞台は1941夏ハワイはオワフ島の米軍基地におけるアメリカ軍の中で起こる軍事基地付近で起こる人間関係の物語り。 印象的な台詞は、『ボクシングさえすりゃ良かったのに・・』最後の無駄死にプルーイットにかける心からの台詞。色んな思いが込み上げてくる単純だけど深い台詞。ただそれだけだったのに戦争は全てを飲み込んでしまう非常さを感じる。戦争はお互いが悪いのである、楽園と云われる南の島で始まった後恐ろしさは枚挙に頭がない。日本側アメリカ側双方から眺める事で立体的に考える手助けになる。その渦中には同じ様な人間が双方に居る事に共感する。 印象的な立場は、時代の流れか女性が立場向上に盛んになるウーマンラブの予兆を感じる所。男も女もお互いに大切にしたい物の為にお互いに犠牲を強いろうとする姿は滑稽でもある。これは大切にしようとする物がコンフリクトする人間ドラマだ。 印象的な場面は、人間関係や環境などを全て飲み込む戦争という名の黒い影だ。いままでのすったもんだが関係なくなる程の爆発力がある。殺されに帰ってきたプルーイットに帰ってきたが死んだ親友アンジェロに仇の軍曹や空襲で撃たれた人全ての終わりを始まりに告げる太平洋戦争を描きたかったのだと感じた。 個人的には、最後でハワイを去る時のフェリーでレイを投げ本土アメリカに帰る時に島を後に2人の女性が眺めるシーンが印象に残る。BGMでアロハ・オエが流れる所は分かっていても涙してしまう。アロハオエの作者はリリウオカラニ女王で、作られた経緯を知ると辛い。そして積年の出会いと別れの歌だと知ると一層深みが増します。 アロハオエ『さようなら愛する人、また会う時まで』ハワイといえばこの歌に一層の哀愁を感じずにはいられなくなる映画でした。永遠にとは・・この地上ではないとのコピーには、出オチですが素晴らしいと感じました。
噂?のデボラ•カー
1941年、
ハワイのアメリカ軍基地での生活。
今のところ戦闘が無いので、
様々な訓練の毎日を送る兵士たち。
ボクシングが人気で部隊ごとの戦いに
皆やる気満々。
新しく入って来たブルーライト兵士。
以前にはミドル級の元ボクサーであることを
嗅ぎつけたかボクシング試合への勧誘が凄い。
親しかった相手を失明させた負い目があり
拒否し続けるブルーライトへの
嫌がらせやイジメがハンパない。
曹長のウォーデンは、
大尉の妻と出会いお互い惹かれあってしまった。
歩き方が悪いとと残されて一人練習。
銃の組み立て練習。
重い銃を担いでの駆け足をなん度も。
必死になって励んでいると足をかけて転ばす。
そんな中唯一の友達マジオ。
揃ってアロハを着て酒場に行き、
ロリーンいう美女と出会い恋が芽生える。
みんなアロハ、
酒場でケンカ、止めてくれた曹長。
ウォーデンは、カレンが好きだったが、
自身の信念を曲げてまで一緒になろうとは
思えず別れた。賢い生き方か。
しかし、マジオ、
酔った勢いで無茶して営倉送り。
そこの担当だった酒場の喧嘩相手に毎日毎日、
半殺しの目に遭わされ、脱走したが命尽きる。
マジオの仇をとったブルーライトは、
自分もケガしたのでロリーンの家に身を寄せる。
急遽日本軍の真珠湾攻撃。
本作の描き方では、日本軍は悪。
アメリカ兵可哀想、としか。
その最中ロリーンが引き留めるのも聞かず、
戻ろうとしたブルーライトに味方の銃撃。
彼は、死のうとしたのだろうか。
彼も信念のもとに自身の生き方を貫いたのだ。
ラスト、カレンとロリーンが船に乗り合わせる。
相手の男二人とも、女より信念を優先したのだ。
ちょっと突飛過ぎ
バートランカスター扮するライフル部隊ミルトンウォーデン曹長は、モンゴメリークリフト扮する転属新人のブルーイットを受け入れた。曹長はブルーイットを相当な頑固者だと見た。 隊対抗のボクシング大会みたいのもあったんだね。上官の奥様カレンとしてデボラカーが登場。ずうずうしくも上官の家に上がり込んで酒飲むかな。不倫ネタだったか。ちょっと突飛過ぎるよね。
チャタヌガ・チュー・チューを歌う『イタ公』のシナトラ。あれ?!日独伊三国同盟♥
『海軍横須賀刑務所』を見たあとにこの映画を見た。『海軍横須賀刑務所』は、この映画が公開された20年後に公開された日本映画。『海軍横須賀刑務所』が対中国戦争の始まりに対しで、この映画は対米戦争の始まり。同じ開戦状況を描いた話で、しかも、戦争ではなくて、兵士の生活及び文化についての話になっている。
女性と兵士の関係とか。
さて、同じ様なテーマが日本とアメリカではこれだけ違う。『ドナ・リード』演じるモンゴメリークリフトの恋人の役は、恋人ではなくて、兵士の為に働く『ホステス』の様な立場だと理解すべきだ。
さて、大日本帝国はこの国を相手に『トラ・トラ・トラ』してしまった。何故か我が親父がこの映画が好きだった。私はガキの頃見たが、雨に濡れるバート・ランカスターしか覚えていない。何が良いのか分からなかった。改めて見て『フルメタル・ジャケット』とコロンボ刑事の第28話「祝砲の挽歌」は、この映画をリスペクトしているとは思う。
追記
ギャバレーの様な所で働く『日系のバーテンダー』が映り込んでいた。この方のこの後の運命が気になる。
追追記
この監督がユダヤ系ドイツ人で、アメリカへ亡命してきた人物だそうだが、アルフレッド・ヒッチコックの『私は告白する』が同じ人物設定を使っていたのは偶然だろうか?
12月6日の日めくりが!
被っているヘルメットがイギリス軍のヘルメットだと思うが。『チト』の被っているヘルメットだ。
軍隊は男の魔窟、女はそこから距離を置き…
何十年ぶりかの再鑑賞だったが、 現在はネット時代。 当時は知るよしも無かった情報が手に入り、 初めて知ることも多い。 まず、作品名の“地上より永遠に”に 続く言葉が “呪われたる…兵士に憐れみをたれたまえ”と、まるでキリストの言葉の如くであったこと。 また、原作がテレンス・マリックの 「シン・レッド・ライン」と同じ人物である ことも。 更に、「ゴッドファーザー」に出てくる歌手が フランク・シナトラをモデルとしている ことは聞いていたが、 出演を計った作品がこの「地上より…」だった ことは初めて知った。 この作品に先駆けて、ジンネマン監督の 初期の頃の「山河遙かなり」を観たところ、 まだまだ演出に不満を感じたのだが、 5年でこんなにまで 演出力が進歩するものかと驚いた。 この映画は、基本的に軍隊内部の 非人間性を描いた作品なのだろうが、 「山河…」に比べると、 この作品の方が圧倒的に構成要素が多い。 それなのに、各エピソードを 上手く処理した手腕は見事と言うしかなく、 圧倒的に優れた作品として鑑賞出来た。 この作品の評価、キネマ旬報では、 より過酷な軍隊内部を描いた邦画 「真空地帯」等が先に上映されていて、 「地上より…」での制裁等が 生温く感じたためか分からないが、 「禁じられた遊び」や「ライムライト」等の 名作揃いの年で第16位と沈んだものの、 アカデミー作品賞・監督賞受賞は 納得の完成度に思えた。 それにしても軍隊という組織は 恐ろしい所だ。 どんなに辛い事があったとしても、 そこに戻ろうとするベクトルが生じるとは。 ここは男性にとって 魔窟のような場所なのだろうか。 そして、女性はその世界から距離を置く存在 でもあるのか。 青年兵士が曹長の計らい(多分)で 名誉の戦死の扱いになって、 恋人が彼の母親にその勲章を送ろうとした。 しかし、母親は受け取ろうとしないのは、 そんな意味合いを含めたのだろうか。 次の鑑賞は、この作品から6年後の まだ未見の「尼僧物語」だ。 更にこの後の監督作品「わが命つきるとも」も 名作だったとの思いがあるので、 「尼僧…」の鑑賞が ますます楽しみになってきた。
あっさりと味方に撃ち殺されてしまうモンゴメリー・クリフト
ボクシングで友人を失明させた過去が有るモンゴメリー・クリフトは断固として他部隊とのボクシング試合に出ることを拒否。逃げて隠れていたのに突然の日本軍攻撃の中、軍人としての使命感から恋人の願いを振り切り部隊に戻る。しかし、あっさりと味方に撃ち殺されてされてしまう。自己の規律を守りきるその不器用な生き方に、監督は自分自身を重ねているのだろうか。でも、兵士フランク・シナトラの死同様に、あまりに悲しすぎ、あまりに意味が無さすぎる。社会の底辺の人間の定めなのか。 そうか・・・成る程、そこに監督の静かな怒りと抗議がこめられていたのか。
クリフトとランカスターの対照的な男の生き方
イギリスのチャーチル首相は、日本が真珠湾攻撃で宣戦布告したことを大層喜んだという。ヨーロッパ戦線でナチス・ドイツに対抗するには、アメリカの参戦が必要と認識していたからだ。そんな国際緊張の時代背景のハワイ・ホノルル基地の腐敗を描くフレッド・ジンネマン監督の真意は、どこにあるのだろう。ダラケタ軍内部の単なる暴露なのか。冷戦時代の軍の引き締めを求めたのか。南国の楽園が一瞬にして戦場になる無情を描きたかったのか。アメリカでは、アカデミー賞始め高く評価されているが、日本ではそこまでではない。ジンネマン監督の律儀で緩みのない演出と豪華なキャスティングを楽しむのが限界である。モンゴメリー・クリフトが演じるラッパ手ブルーイットが、アンジェロの死を悼み涙を流しながら吹くシーンが印象的。
真珠湾攻撃
元プロボクサーだったプルーイット(クリフト)は軍内での試合に出るよう説得される。しかも上官の昇進のためだ。断ったためか、一人だけ嫌がらせを受けるようになる。古くからの友人マッジオ(シナトラ)と一緒に憂さ晴らしのため酒場へ行って、ロリーン(ドナ・リード)と知り合う。そして、ウォーデン曹長(ランカスター)は上官の妻カレン(カー)と不倫の恋に落ちる。
ボクシングやらケンカやら途中のストーリーはそれほどいいとは思わないけど、アーネスト・ボーグナインとの絡みは面白い。ピアノのことでケンカし、トランペットで魅了するプルー。そこからは彼のラッパ吹きとしての才能が開花する。それに加え、ブルースギターを奏で、兵士たちが再入隊ブルースなどといった曲を歌ったりするシーンが好きだ。
クライマックスにあたる日本軍の真珠湾攻撃はこの年代の映画にしては迫力があった。しかし、その前にトラックから落ちてマッジオは死亡、攻撃当時はプルーもケンカで負傷し、ロリーンのもとで匿われていたのだ。味方が攻撃されるのに寝ちゃいられないってなもんで、彼はヨロヨロと兵舎へと進むのだが、味方によって撃ち殺された。
戦争の虚しさというより、犬死のような結末を迎えた2人。船上でのロリーンの会話を聞いていると悲しくなってしまう・・・
本当の主人公は二人の女性、そしてタイトルの意味
波打ち際でのキスシーンが本作の代名詞となるほど有名なシーンだ 本作の主人公はもちろんプルーイットだ モンゴメリー・クリフトが大人の演技をみせてくれる そして準主役はバート・ランカスター演じるウォーデン曹長 プルーイットの上司に当たる彼とその直接の上官であり部隊の隊長の妻との危険な不倫シーンがその有名なシーンだ 不倫の妻はデボラ・カーが演じており、仕事ができる男が不倫に走ってしまう妖しい美しさを存分にスクリーン一杯にみせる そして主人公プルーイットの相手役のホステス嬢ロリーン役のドナ・リードもまた負けずに薄幸の身の上を一目で演じてみせる ラストシーンではじめて本作のタイトルの意味が分かると同時に本当の主人公が誰であったのが分かる 実はこの二人の女性が本当の主役であったのだ 男達は結局職場を一番大事にしているのだ それは仕事は適当、仕事に関係無いことでパワハラしまくり、不倫三昧で勤務自体も怪しい大尉も同じだ 彼は職場を遊び場と考え彼なりに愛している ウォーデン曹長も将校としての責任を負うのは嫌でも、現場仕事を愛しているのだ 反抗的なプルーイットですら、大怪我をしていても、部隊に戻れば逮捕されるかも知れなくとも、いざとなれば部隊に駆けつけようとする程に職場を愛していたのだ 地上より永遠に このタイトルはイギリスの詩人キプリングの詩から採られたとのことだが、ラストシーンの二人の女性の心境に掛けられている ここ美しいハワイの地から離れても、ここでの愛を忘れないとの意味だ ハワイを離れホノルルの街並みを遠くに見ながら客船のデッキから海に投げ入れられるレイ 浜に流れ着けばまたこの島に戻れるとのおまじない しかしレイは波間をただようだけで永遠に着きそうもなく二人は落胆するのだ ここを地上と書くのは日本の配給元の宣伝マンの卓越したセンスだ それは死を遂げるプルーイットにもかけてあるのだ 物語は原作小説の良さに依るものではあるが、あの渚のキスシーンをはじめとした監督の演出と撮影 そして俳優達の素晴らしい演技が本作を永遠の名作にしているのは間違いない
単純明快アメリカ映画
善悪が明確にされていて、単純明快な物語で非常に分かりやすい。物語の基本となる事柄が盛り込まれている古典的作品だと思う。今となっては様々なツッコミどころが満載かもしれないけれど、根幹となるこういった物語なくして現代のハリウッドはないのだと強く感じた。
クラシック
青春ものです。
白黒だけど現代に通ずる作品。
私たちを取り巻く世界は、科学技術が進歩したけれど青春や友情は変わらない。
個人的には誰が主人公だったのか分からないけれど、あの同僚と揉めた時のボクシングシーンとバーで吹いたラッパ、親友の死を悼むラッパは素晴らしくて感動しました。
それにしても人妻の方の女優さん素敵だったなぁ。
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