幸運の星

解説

「第七天国(1927)」「街の天使」と同じくフランク・ボーゼージ氏が監督した。ジャネット・ゲイナー嬢とチャールズ・ファーレル氏共演映画で、このスタッフの最初の発声映画(最初の第七巻は伴奏音楽付きで最後の三巻がトーキング)である。原作は「河(1928)」「クリスティナ」と同じくトリストラム・タッパー氏作の小説で、「熱砂果つるところ」のソニア・レヴィーン女史が脚色し、「アマゾンの紅薔薇」「地の極みまで」のチェスター・ライオンズ氏が撮影した。助演者は「ノアの箱船」のギン・ウィリアムス氏を始め「輝く天国」のヘドヴィガ・ライヘル夫人「處女時代」のグロリア・グレイ嬢である。

1929年製作/アメリカ
原題:Lucky Star

ストーリー

米国東部の片田舎で農牧を業としてささやかな暮らしをしているタッカー夫人という後家がある。彼女は恐ろしい後家で娘のメエリーをこき使っている。小娘メエリーは見様見まねでこそこそと悪い事ばかりする。或る朝電信工夫の仕事場へ牛乳を買いに言った時も工夫商のレンから代金を二重取りしようとした。後からその事を工夫のティモシー・オスポーンに発見され彼に折檻を受け訓戒されたのを根に持ってメエリーはティムの窓に石を投げてガラスを砕こうとした。その時ティムが米軍に志願して出掛けようとするところだったので、流石の悪戯娘も悔いて彼を荷馬車に乗せてやろうと申出た。ティムは立派な脚を持ってるから乗らないと言って歩いて行く。フランス戦線でレンは炊事軍曹を勤務しティムはその部下の兵卒となっていた。二人ともメエリーから同文の慰問の手紙を受け取った。或る夜塹壕へ食料運搬の命を受けたレンは危険と見てティムを代りに行かした。ティムは重傷を負い戦後一年間病院にいたが彼の下肢は麻痺して彼は立つことも歩くことも出来なくなった。帰郷したティムとメエリーは仲良しになった。ティムは彼女の髪を洗ってやたり、沐浴をすることを勧めたりした。十八になるメエリーは見違えるように美しくなり、またティムに教えられて性質も善良になった。メエリーは萬聖節の前晩に村のお祝いダンスへ出掛け、そこでレンと遭った。レンはミニーという娘を騙していたがメエリーの美しさを見てミニーを捨てた。ティムは家で立とうと努力したが駄目だった。彼に好意を持たないメエリーの母はティムの許へ行く事を厳禁した。レンは巧みに母親の機嫌を取りメエリーを嫁に貰う約束をした。レンがメエリーを嫁に貰う約束をした。レンがメエリーを連れて行く日の前日メエリーはティムを訪れお茶をよばれた。その夜ティムは一生懸命に立つことを努力したが何うしても脚は立たなかった。ある日は雪だった。メエリーは逃げ出してティムの家に来た。二人は始めて深く愛し合っていることを知った。その時母親が来て娘を連れて行った。ティムは雪中を走り歩いて丘を上り停車場へ転び降り、レンに連れられて行かれようとするメエリーを取り戻した。ティムの脚が立ったのである。メエリーとティムはかたく抱き合った。

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