力と栄光
劇場公開日:1934年6月14日
解説
「ブダペストの動物園」「女性暴君」と同じくラスキー・プロ作品で、「紳士酒場」の原作者プレストン・スタージェスが特に執筆した映画脚色により「第一年」「国境の狼」のウィリアム・K・ハワードが監督にあたり、「懐かしの谷」「チャンドウ」のジェームズ・ハウが撮影したもの。主役は「ヤング・アメリカ」「金髪乱れて」のスペンサー・トレイシーで、かつてファースト・ナショナルのスターたりしコリーン・ムーア、「ケンネル殺人事件」「散り行く花」のラルフ・モーガン、「笑う巨人」「深夜の紳士」のヘレン・ヴィンソン、「ヒョットコ夫婦」のクリフォード・ジョーンズ、「嵐の国のテス(1932)」のサラ・パッデン、子役ビリー・オブライエン、カレン・ジョンストン等助演。
1933年製作/76分/アメリカ
原題または英題:The Power and the Glory
劇場公開日:1934年6月14日
ストーリー
トム・ガーナーは片田舎の貧家に生まれ小学教育も受けずに成長した。目に1丁字なく算数のできない彼は、その地方の鉄道の交付として人生のスタートを切った。彼は村の小学校の女教師サリーと相知る様になったが、彼女はトムの強い性格と正直な気性に惚れて、読み書き算術などを教えた。かくて2人は結婚した。サリーはトムに偉大な素質のあるのを見抜き、鉄道会社社長の援助を得て、彼を都の工科大学に送って勉学させ、自ら線路看視を勤務した。サリーの仕送りで心置きなく勉学したトムは学位を得て帰郷した。トムが最初の大仕事はミズーリ鉄橋の架橋工事の設計及び監督だった。その頃サリーは身重になり、やがて1子トムを産んだ。それ以来トムの精励と鉄の如き意志とは彼を成功に導き、幾何もなくしてシカゴ・サウス・ウェスターン鉄道会社社長に就任し、アメリカ鉄道界に雄飛した。トムは事業不振の評高言サンタ・クララ鉄道の買収を決行したが、同社社長ボーデンは破産を免れるために、トムを籠絡する目的で美貌の娘イーヴをしてトムを誘惑させた。事業への野心のみに半生を捧げて北彼に取って、美しい社交的才腕を持つはイーヴ天女の如く見え、口やかましい老たる糟糠の妻サリーを自然疎んじるにいたった。ある日トムは妻に自分がイーヴに恋していることを打ち明けた。サリーは、若い時に楽しみをさせなかった妾が悪かったと言い、市街電車に身を投げて自殺してしまった。トムはその後イーヴと結婚した。幸福に酔う彼は大ストライキに遭い、流血の惨事を引き起こして世の避難を被った。イーヴとの間に息子が生まれてが、結婚記念日に不意に帰宅したトムは妻が何者かに電話かけているのを立ち聞いて、妻に恋人があると思い煩悶した。彼は妻が不定を犯したと信じ亡き妻サリーに辛くあたったためだと考え遂に自殺して果てた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ウィリアム・K・ハワード
- 脚本
- プレストン・スタージェス
- 製作
- ジェシー・L・ラスキー
- 撮影
- ジェームズ・ハウ