想い出(1954)

劇場公開日:

解説

アナトール・リトヴァクが「暁前の決断」に次いでヨーロッパで製作・監督に当った作品で、パリに駐屯したGIとフランス娘の悲恋を描くもの。原作はアルフレッド・ヘイスの「ヴィア・フラミニアの娘」で、これを「若き獅子たち」の小説家アーウィン・ショウが脚色した。撮影は「夜ごとの美女」のアルマン・ティラール、音楽はミシェル・エメエとジョー・エイオの担当。主演は「三つの恋の物語」のカーク・ダグラスとフランスの新進ダニー・ロバン(「恋路」)で、助演はバーバラ・ラージュ(「恭々しき娼婦」、未輸入)、セルジュ・レジアニ(「肉体の冠」)、ガブリエル・ドルジア(「恐るべき親たち」)、マルト・メルカジエ(「浮気なカロリーヌ」)、フェルナンド・ルドゥ(「永遠の争い」)らのフランス俳優が多数出演し、他にロバート・ストラウス(「第17捕虜収容所」)など米国俳優も出演する。1954年作品。

1954年製作/アメリカ
原題または英題:Act of Love
配給:松竹洋画部=ユナイト共同配給
劇場公開日:1954年3月

ストーリー

米国人ロバート・テラー(カーク・ダグラス)は、リヴィエラの漁村ヴィルフランシュに来て、ホテル《ベル・リーヴ》の1室を約した。ロバートには、戦争中パリに駐屯していたときの恋の想い出がよみがえって来た。ー1944年、テラーはパリの連合軍司令部の主計兵をしていた。彼は兵営生活が性に合わず、一夜つきあったニナ(バーバラ・ラージュ)という女に下宿の世話を頼んだ。ニナはテラーにリザ(ダニー・ロバン)という娘を紹介し、2人を夫婦であることにしてカフェの2階に1室を借りてくれた。リザは、戦災で一家が離散し、やはり1人ぼっちだったので、テラーと一緒に暮らすことを承知した。カフェは中年の夫婦ものフェルナン(フェルナンド・ルドゥ)とアデール(ガブリエル・ドルジア)が経営しており、また、戦傷して帰って来た1人息子クロード(セルジュ・レジアニ)がいた。クロードはフランスを愛する余り、リザをアメリカ人に身を売る軽べつすべき女として、冷い目で見た。テラーとリザは一緒に暮らすうち次第に親しみが増し、やがて愛し合うようになったが、ある日、カフェがちょっとした事件で刑事に調査されたとき、正式の身分証明書も結婚証書も持たないリザは、翌朝警察へ出頭を命ぜられ、街娼婦として登録されてしまった。テラーはその事件を契機にリザと正式に結婚することを決意し、上官に許可を願い出た。上官はこれを気まぐれの恋だと思い、テラーのためを思って彼を直ちに転属させた。それを知らぬリザは、彼がいつになっても現れないので悲しみに打ちひしがれ、セーヌに身を投げた。ーテラーの想い出は1人の旅行者が来たことで途切れた。旅行者はその昔テラーの結婚を拒絶した上官だった。テラーは懐しがる上官をあとに、リザが少女時代幸福を味わったというホテル《ベル・リーヴ》の1室に向かった。

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